原水爆禁止2003年世界大会‐長崎決議

長崎からのよびかけ─いま、核兵器の廃絶を

  1945年8月9日11時2分、古い歴史と文化をもつ街、長崎の上空で、アメリカの原子爆弾が炸裂しました。一瞬にして、熱線と爆風、放射線が人びとを襲い、その年だけでも7万人が生命を奪われ、生き残った被爆者もまた、「からだ」「こころ」「くらし」に癒しがたい傷を負いました。
  「あの悲劇をくりかえしてはならない」—地獄を体験した被爆者の痛苦の思いは、「核兵器をなくせ」の叫びと運動になって広がり、人びとに平和な世界をきずく決意と勇気をあたえています。
  しかしいま、核兵器の使用や先制攻撃をくわだてるアメリカによって、第二のナガサキ、第二のヒロシマの脅威がもたらされています。このような状況をもはや一刻も放置することはできません。未曾有の規模でひろがったイラク戦争反対の行動とも合流し、諸国政府との協力をさらにすすめ、国連憲章の平和原則が守られる「核兵器も戦争もない平和な世界」をいまこそ実現しようではありませんか。
  原水爆禁止2003年世界大会「国際会議宣言」に学び、力とし、共同をひろげ、草の根の運動を飛躍的に発展させましょう。

  1. 核兵器の使用と威嚇、開発を許さず、核兵器廃絶の実現を求めて、本世界大会が提唱した新しい署名「いま、核兵器の廃絶を—ヒロシマ・ナガサキをくりかえさないために」を日本と世界で大規模に広げ、被爆60周年の2005年を核兵器廃絶への転機としましょう。これまでの署名運動の大きな成果を踏まえ、この新しい署名運動に創意とエネルギーを結集し、力強く発展させましょう。
  2. 国連などで核兵器廃絶に背を向ける日本政府に対し、被爆国にふさわしく、その実現にむけて積極的に行動するよう強く求めましょう。非核3原則の厳守・法制化、核密約の公表・破棄をせまり、非核自治体の拡大と施策の充実、港湾・空港などの非核化を求めましょう。
  3. 日本を「戦争する国」にさせないために、自衛隊のイラク派兵と有事法制の発動を許さないたたかいをさらに強めましょう。教育基本法改悪を許さず、憲法改悪を阻止しましょう。北朝鮮の核兵器開発に強く反対し、交渉による平和的解決を求めましょう。
  4. 沖縄・名護の新基地建設や佐世保基地の大増強計画をはじめ、日本各地ですすむ米軍基地の再編強化に反対し、日米地位協定の抜本的改定、基地の縮小・撤去を求めましょう。日米安保条約廃棄の世論を高めましょう。
  5. 被爆の実相を日本と世界にひろげましょう。原爆展や被爆体験の「聞きとり・語りつたえ運動」、原爆遺跡の保存などをすすめるとともに、「原爆症認定」を求める集団訴訟を支援しましょう。2004年3月のビキニ被災50周年のとりくみを成功させ、世界各地の核被害者との連帯・交流をさらに強めましょう。

 日本と世界の多くの青年たちがこの世界大会の成功を支え、参加者に感動と未来への希望をあたえてくれました。原水爆禁止運動をさらに豊かにひろげるために、ともに前進しようではありませんか。
 人間の尊厳と人類の生存をかけて、核兵器のない希望ある未来を実現するために、ただちに行動にふみだしましょう。

 ノーモア ナガサキ! ノーモア ヒロシマ! ノーモア ヒバクシャ!

2003年8月9日

原水爆禁止2003年世界大会‐長崎


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