前提:現在、韓国には北朝鮮の核兵器保有、核兵器プログラム開発に関する確実な情報を持っている人がいません。北朝鮮の中枢から亡命してきたファン・ジャンヨプ氏でさえ、北朝鮮の核兵器保有について自信を持って言ってはいません。したがって私は北朝鮮の核問題に関しては推定するほかありません。
〈私の北朝鮮の核問題に関する推定〉
1,北朝鮮は現在、核兵器を持ってはいません。
2,北朝鮮は現在、核兵器開発プログラムを持っているが、そのプログラムを活用した核兵器の製造工程には入ってはいないようです。
3,北朝鮮がもし核兵器を1〜2発つくっていたとしても、それを発射する能力はありません。発射するためのInfra System(電子通信システムなど)を備える能力がありません。北朝鮮がテポドンミサイルを発射する能力を持っていても、核兵器を発射するにはたくさんの困難があると思います。
4,北朝鮮は現在、攻勢的なNCND(Neither Confirm Nor Deny 肯定も否定もしない)政策を駆使しながら、アメリカを引き込むために努力しています。イラク戦争のあと、「アメリカが北朝鮮を崩壊させるための戦争を行なえば、われわれも核兵器を開発するしかない状況にいたる」という新しい戦略に変えました。ここで「アメリカが北朝鮮に対する戦争を行なえば〜」という条件がついている点に注意しなければなりません。
〈北朝鮮の核問題と国際情勢〉
1,北朝鮮の核問題はアメリカの世界支配戦略の産物です。ソ連崩壊ののち、第三世界の反米国家、いわゆる「ならず者国家 Rogue State」が保有している大量破壊兵器(WMD)を口実とした戦争ゲームを、アメリカがくりひろげているうちに、北朝鮮の核問題が大げさなことになってしまいました。
2,ブッシュ政権がイラクの大量破壊兵器に関するうその情報をでっちあげながら、イラク戦争を行ないました。このようにアメリカは誇張した北朝鮮の核兵器脅威論を根拠にして北朝鮮の崩壊のための戦争計画を決行しようとしています。
3,現在、朝鮮半島に戦争の暗雲がただよっています。日米軍事同盟が北朝鮮脅威論を掲げてキム・ジョンイル政権を崩壊させようとしているため、朝鮮半島に戦争の危機がつくりだされています。
4,1994年の朝鮮半島の戦争の危機と2003年の朝鮮半島の戦争の危機は、北朝鮮の核問題でなんくせをつけて戦争を行なおうとしている点で、同じ構造です。しかし1994年にはアメリカが単独で北朝鮮を攻撃しようとしていたのに、2003年にはアメリカが日本をしたがえて北朝鮮を占領しようとしています。こうした作業のために、アメリカは日本に有事法制を成立させました。日本の好戦勢力はやはり、北朝鮮脅威論を口実に有事法制を成立させました。このように日米軍事同盟によって北朝鮮を崩壊させるための戦争協力体制がつくられていることを強調したいと思います。日本の軍隊がふたたび朝鮮半島に介入するという歴史的な罪悪に対して、日本の人々はどう考えているのでしょうか。
5,日本の軍事同盟に反対する運動は日米軍事同盟による北朝鮮崩壊戦争をふせぐ道でもあります。また、朝鮮半島の戦争の危機をふせぐための韓国民の反戦平和の運動は日米軍事同盟の北朝鮮崩壊をふせぐことなのです。ここで韓国の反戦平和の運動の勢力と日本の反戦平和の運動の勢力協力する体制をとる必要ができます。日韓の平和運動勢力の国際連帯を中心に、アメリカの平和運動勢力とむすびつくなかで、日米韓軍事共同体が北朝鮮に対する戦争をしたがるのをやめさせなければならないのです。
6,日米韓の平和運動の勢力がブッシュ政権の戦争をやめさせる運動として、ブッシュ落選運動を提案します。来年のアメリカ大統領選挙で戦争狂のブッシュを世界中の人が連帯して落選させるキャンペーンこそ、平和運動の核心だと思います。私はすでにインターネットをつうじたブッシュ落選運動を準備しています。今後、オフラインでもブッシュ落選運動をしていこうと思っています。日本の平和運動家のみなさんにもブッシュ落選運動をいっしょになさることをあらためて提案したいと思います。