原水爆禁止2003年世界大会
国際会議

中国人民平和軍縮協会
鮑 初健(バオ・チューチアン)



  尊敬する議長、参加者のみなさん

  きょう初めて、原水爆禁止世界大会にオブザーバーとして参加することをうれしく思います。まず、中国人民平和軍縮協会の平和活動家を代表して、みなさんにたいし、とりわけ、広島と長崎の原爆投下で大きな苦しみを受けた被爆者、世界各地の被爆者にたいし、心からのあいさつをのべたいと思います。8月の日本、とりわけ広島と長崎はとくに暑いのですが、世界の各地から人々があつまって核兵器のない平和な世界への強い願いを表明している、この雰囲気は、それを上まわるほど熱いものがあります。私はこれに感動し、私たちの事業はかならず成功するとの確信をいっそうつよめています。

  ここでは、若干の地球規模の焦眉の問題について、私の個人的なコメントをのべます。第一に、現在の国際情勢についてですが、世界はいま、未曾有の歴史的変化のただ中にあり、それはさまざまな勢力と利害の型の根本的な状況変化をともなっています。安全保障にたいする脅威は、伝統的なものとそうでないものの要素が絡み合っており、テロリズムによる被害が増大し、南北格差がいっそう広がっています。重要なことは、ブッシュ政権が追求している覇権主義、力の政策、いわゆる「先制攻撃戦略」が、世界の発展に新しい不確実性をもたらしていることです。世界は落ちつくどころではありません。人類は重大な挑戦を受けています。これからの時代の国際情勢の発展の基本的な流れは、全般的な平和にたいして局地戦争、全般的な緊張緩和にたいして局地的な緊張、全般的な安定にたいして局地的な混乱という関係が特徴となるでしょう。平和活動家として、私たちは、世界は平和を必要としています。私たちすべてが、なによりもまずなすべきことは、平和と安定を維持するなかで発展を追求することです。

  第二に、軍備管理、軍縮をめぐる現在の国際情勢の発展についてです。アメリカの軍部が追求する覇権的優位性のための地球的戦略が、国際平和、軍備管理、不拡散の発展の方向に影響を与えています。他方、国際的軍備管理条約と国際法にもかかわらず、軍事的優位を一層強化することは、同様に潜在的に匹敵する可能性のある勢力との力の差をさらに大きくすることになります。また、ブッシュ政権の軍事チームは、外国の敵対者にたいして、先制的に攻撃をおこない、脅しをかけ、封じ込め、制裁をくわえ、自分の気に入った国際的手段やアメリカの法律さえもふりまわして、いかなる障害物をも小さくしたり、あるいはなくしてしまおうとしています。このような行動は、国際的な軍備管理、軍縮のプロセスを困難に陥れるものであり、この点に私たちは注意を払わなければなりません。

  第三に、小泉政権内の現在の動きであります。6月6日、日本の参議院は、武力攻撃事態対処法案、自衛隊法改正法案、安全保障会議設置法改正法案の3つの有事関連法案を可決、成立させました。また、7月26日には参議院で、イラク復興支援特別措置法という、きたる10月に千人規模の自衛隊をイラクに派兵することを認める法案を可決、成立させました。これらの事態は、いまなお過去を忘れていないアジア各国を憂慮させ、たしかに、北東アジア全体の安全保障と安定をそこなってきました。

  最後に、朝鮮民主主義人民共和国の核問題です。いま、私たち中国の平和活動家は、北朝鮮の核問題を重視しています。中国と北朝鮮が共通の山と川で深く結ばれていることは周知の通りです。先月、中国政府の特使が、この問題の解決を促進するためにロシアと北朝鮮、アメリカの間でシャトル外交をおこないました。私たちは、国際社会による対話と共同の努力によって、北朝鮮の核問題によってつくられた緊張がすみやかに解決され、朝鮮半島の平和と安定が維持できるようにすることを、心から願っています。核兵器のない朝鮮半島が実現し、北朝鮮の安全保障上の懸念が尊重されるよう、私たちは心から希望しています。私たちは、中国政府の努力の成功に期待しています。

  親愛な友人ならびに専門家のみなさん、世界の平和運動が今年初め以来、あらたなうねりを作りだしています。それは、ブッシュ政権の一国行動主義、覇権主義それに先制攻撃戦略を抑えています。世界の平和運動は広範な展望をもっています。私たちはともに世界村に住んでいるのですから、私たちは、それを幸せな大家族にすべきです。世界村の平和、安定、発展は人民とともに、人民によって、人民のためにあります。中国はつねに、核兵器の包括的禁止と完全な廃棄を主張しています。中国は核保有国となったその日から、いかなる場合にも、どのような状況のもとでも、核兵器を最初に使うことはしないということを明らかにし、核兵器を持たない国や非核兵器地帯にたいして核兵器を使用したり、その脅迫をしたりしないということを無条件に約束してきました。中国は、国際軍備管理・軍縮条約、多国間の軍備管理・軍縮過程および国際的な不拡散努力を積極的に支持してきましたし、多国間の不拡散体制をつくり強化するための国際社会の広範な参加を一貫してよびかけています。

  友人のみなさん、参加者のみなさん、

  核兵器とその他の大量破壊兵器の全面禁止と廃絶のために活動し、より平和的で住みやすい世界をつくるために、ともに絶え間なく努力しようではありませんか。

  ノーモアヒバクシャ。

  ありがとうございました。


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