まず、この会議に招待いただきありがとうございます。本会議の開催、また私の参加にあたり、高草木さんを始め事務局の皆さんのご尽力いただき大変感動し、光栄に思うとともに、感謝申し上げます。
この暗い時代、広島・長崎への原爆投下の口実を思い起こすことは重要です。私は、広島と長崎の人々は、アメリカの地政学的な野望の犠牲になったのだということがわかるようになりました。ソ連を脅かし、有利な条件で戦争を終わらせようとしたアメリカの野望のために、罪のない人々がひどい苦痛や死に耐えることを余儀なくさせられました。
以来、世界中の人々が核による破滅の恐れの下に生きてきました。広島への爆撃以来、アメリカ政府が20回以上も核兵器を使うと脅してきたことを忘れてはなりません。第3世界の国々が、過去に、そして今も、その脅しの主な標的となっています。2002年1月、長く続いた冷戦が終わっているにも関わらず、アメリカ政府は、7カ国もが核攻撃の標的として挙げられた核態勢見直し計画を発表しました。
私は非核保有国の出身であることを嬉しく思います。1950年代にはスウェーデンにも、核開発のための広範な計画がありましたが、おもに女性の強力な抵抗運動のおかげでスウェーデンは核保有国になりませんでした。
しかし時代は変わりつつあります。スウェーデンは今ではヨーロッパ連合(EU)の一員です。ジュネーブで行われた今年のNPT準備委員会では、EUのスウェーデンに代わってギリシャが発言をしてくれました。ただ、スウェーデンがNPTに従うよう核保有国に圧力をかける7カ国から成る新アジェンダ連合の積極的なメンバーであることについては嬉しく思っています。そしてアメリカは、6つのヨーロッパの国々とトルコに核爆弾を配置しています。しかし残念なことに、国際問題におけるスウェーデン独自の声は弱まっています。
国土に大量破壊兵器が配備されていないとしても、スウェーデンはEUの一員として、ある意味で核クラブに関わっています。ヨーロッパの二国、イギリスとフランスは、発射されたら北半球を根絶し得る膨大な量の核兵器を保有しています。スウェーデン人の一人として、私にはこの大量殺人の道具の廃止を見守っていく責任があります。
私は、約20の団体が加盟するスウェーデン平和評議会の代表です。わたしたちの開いた会議の最終決議の一文からから私のスピーチを終わらせていただきます。
世界はもはや、スーパーパワーの傲慢さと専制による支配を許すことができません。替わって国際協力により、全ての国の国民と国家の利益が守られるようにしなければなりません。国際システムの民主化に向けての運動は、差し迫った挑戦です。
核不拡散条約の遂行義務を果たすこと、核兵器を外国の領土から撤退させること、全ての核兵器の警戒態勢を解除すること、全ての核兵器研究所を閉鎖すること、あらゆる新型核兵器の開発を止めること、そして、核の危険を緊急に取り除くという国連事務局長の提案にしたがって国際会議を召集することを要求します。
ご清聴ありがとうございました。