原水爆禁止2001年世界大会
長崎・閉会総会(8月9日)

緑の党欧州議会議員
ジーン・ランバート


皆さん、
  今年の世界大会は、今世紀最初の大会として強調されてきました。私たち自身にとって、私たちの子どもたちにとって、今日ここにいる若者あるいは世界中の若者にとって、どんな世紀が望ましいのでしょうか。
  核兵器のない未来が望ましいのは明らかです。私は、全ての核兵器生産が行なわれない将来を目指さなければならないと思います。核兵器生産のすべての面で、現実にも潜在的にも犠牲者が生まれるのです。
  核兵器製造を可能にする物質の生産を、世界中でやめさせなければなりません。核産業全体が生み出す有害物質をどう処理するのかもわからないからです。核汚染の影響による生と死の恐ろしい現実は、この世界大会の間に嫌というほど耳にしました。
  しかし、核のない未来を達成するには、核を支持する政治家やその政治家を支持する人々を批判しなければなりません。
  世界を吹き飛ばす恐れのある兵器を保有することで、なぜ未来が最も安全に守られると思うのか、説明をしてもらわなければなりません。
  来年2002年の9月、各国政府首脳が南アフリカで、この地球をより持続可能な場にするために行ってきたことについて話し合います。そこでは、地球温暖化や生物の多様性といった重要な問題が話し合われます。いくつかの政府は、今後も核兵器を持ちつづけるでしょうし、地球を破壊する手段を持ちながらも地球を守ることについての素晴らしいスピーチをすることに矛盾を感じていない政府もあります。
  私たちは、こうした矛盾を批判しなければなりません。そのためにどうしたら良いのかの提案は、この大会の中で充分にされてきたと思います。
  ここにいる若者たちがヒバクシャの経験を伝える責任について語っていたように、生命の源である地球を守るためには、協力と責任が必要です。
  核兵器を持ち続けることは、利益を生み続け、自国の問題から人々の注意をそらすために他国を敵視すること、また敵のいないところに敵を作ることです。
  この大会では、政府の宣伝に隠れた真実を見極めるために、平和運動を深め広げようと多くの訴えがありました。
  終わりに、初めてナガサキ・ヒロシマを訪問して私が最も胸を打たれたことをお話します。世界には、他人から深く傷つけられ、血には血を、痛みには痛みを、と復讐を追い求めている人々がいます。しかしこの2つの街で私が耳にしたのは、平和を求める思いであり、これ以上誰も同じような苦しみを味わうべきではない、ということだけでした。
  これは、世界中に伝えなければならない力強い教訓です。ここにいる私たちすべてが、この教訓を伝えるために力を尽くしましょう。


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