議長、ありがとうございます。
原水爆禁止世界大会の一環として開かれているこのパネル討論参加する機会をいただき、大変光栄に思います。この2001年世界大会は、無防備の日本の人々にたいし計り知れない破壊と苦しみをもたらした広島と長崎への原爆投下から、56年目に開かれています。このことは人類にとって、世界から大量破壊兵器全般、とくに核兵器をなくすことを求めるとりくみにおいて、どのような進歩が得られたのかを考える指標にならなければなりません。
ジンバブエの国民全体、とくに政府にとって、広島と長崎の恐ろしい経験は、人類の歴史における悲しいできごとであり、大量破壊兵器は決して製造も貯蔵もされてならずまして人類に対し使用されることがあってはならないことを常に思い出させてくれるものです。
昨日の全体会で発言したように、2001年世界大会はこれまでの大会同様、核のない世界とすべての大量破壊兵器の廃絶という私たちの理想に力を尽くすことをあらためて確認する場にならなければなりません。
56年を経たこんにち、広島と長崎に投下された原爆の無差別の衝撃の影響は、いまなお続いています。日本の勇敢な国民は、決意、懸命な努力、不屈の力によって、その悲劇の淵から、輝かしく立ち直りましたが、彼らが絶えることを強いられた恐怖を忘れることは決してないでしょう。
ジンバブエは、常にあらゆる大量破壊兵器への反対を表明してきました。軍縮に関する唯一の多国間協議の場である軍縮会議(CD)の一員として、ジンバブエはグループ77(G7)に参加するほかの国々とともに、日本などの国々の全面的な支援を得て、大量破壊兵器の廃絶を国際社会全体の優先事項として主張しています。
ジンバブエは1986年に非同盟運動の議長国をつとめましたが、この運動において私たちは非核兵器国にたいする普遍的で無条件、そして法的強制力を持つ安全保障の確保が、優先事項として追及されるべきであるという立場に立っています。わが国政府はまた、世界の全地域に非核地帯の設置をめざすとりくみも支持しています。こうしたとりくみは不拡散体制を強化するための国際的努力への、さらなる具体的な貢献であると考えます。
したがってジンバブエは、大量破壊兵器が使われないことを保障するための手立てを取っているのはそれを製造するための技術も資源も持たない非核兵器国のみであるようだということを、深く憂慮しています。しかも、核保有国がそうした兵器を増やしていることについて、非核兵器国はどうすることもできないのです。ですからこの原水爆禁止世界大会は、私たち全員が自国に対してだけでなく、世界と人類全体にたいして負っている、これらの悪魔の兵器をなくすという責任を思い起こさせるものでなければなりません。