原水爆禁止2001年世界大会
国際会議

世界大会実行委員会/大会議長団
関谷綾子


主催者あいさつ (8月3日国際会議開会総会)

  原水爆禁止2001一年世界大会に遠く海外からおいでくださったみなさん。全国各地からご参加のみなさん。 主催者を代表し、こころからの歓迎と連帯のごあいさつを申し上げます。

  みなさん。
  私たちはいま、21世紀にはいって、はじめての原水爆禁止世界大会をこの地・広島で迎えました。1945年8月6日、9日──あの地獄から立ち上がった被爆者の方々をはじめ、多くのこころある人々が声をあげ、手をつなぎ、いまや核兵器廃絶を求める声は、世界の大きな流れになっています。昨年のNPT(核不拡散条約)再検討会議では、すべての核保有国も含めて「核兵器の完全廃絶を達成するという明確な約束」をうたった最終文書を一致して採択させるところまですすんでまいりました。
  このような発展のために、核兵器廃絶を一貫してかかげ続けてきた広島と長崎での原水爆禁止世界大会と日本の原水爆禁止運動が大きな貢献をしてきたと、信じております。
  同時に近年、「新アジェンダ」諸国や非同盟諸国など、核兵器廃絶を要求する国々の努力が、大きな力を発揮していることを非常に心強く思っております。
  あくまでも核兵器に固執する人たちに、「核兵器廃絶の約束」を守らせ、これを実現するには、さらに世論や行動を強めなければなりません。そのうえでも、これら核兵器廃絶のために努力する国々と、私たち平和運動との協力を強めていくことが重要だと考えます。今大会では長崎での大会に、そうした国々の代表が参加を予定されていることを、非常にうれしく思っております。この国際会議では、政府との協力の発展をふくめ、どのような行動をすすめていくか、ご参加の皆様、積極的議論をおねがいいたします。
  みなさん、核兵器廃絶の実現のためにも軽視できないのが、アメリカ政府の動きです。ブッシュ大統領は、「核兵器廃絶の約束」に背をむけ、核兵器をみずからの力のシンボルとしてあくまでも手放さず、「ミサイル防衛」計画という新たな核軍拡に道をひらきかねない危険な道をすすもうとしています。私たち世界の平和を心から求める者たちは、「ミサイル防衛」反対の世論と運動を高めるとともに、核兵器廃絶の要求をいっそう高くかかげてすすむことが大切です。このような危険な動きや運動の方向についておおいに意見をかわすことを期待しております。
  ところでみなさん、最近の日本政府の動きに、危惧の念を強めている方も多いのではないでしょうか。私は侵略戦争に国民を動員するための役割を果たした靖国神社への参拝や、侵略戦争を正義の戦争だったという教科書を持ち込もうとする動きを、強く批判する国民のひとりです。かって日本の軍国主義は、アジア近隣諸国への侵略戦争と植民地支配をおこない、筆舌に尽くせない苦しみと被害をこれらの国の人々に与えました。私たちは、広島・長崎への原爆投下をきびしく糾弾してきましたが、このことは日本の侵略戦争への批判・反省と結びついているものです。この歴史を反省を拒否することとは、核兵器廃絶と平和を求めることと絶対にあいいれないことです。

  さて、みなさん。「『核兵器廃絶の約束』の実行を核保有国に心から求めましょう!─国際的協力と連帯で希望ある世界を」──この、ことしの世界大会のテーマを軸に、21世紀を迎えた現在の核兵器をめぐる情勢や、世論と運動の新たな発展の方向などについて、みなさんの運動の経験や研究の成果、思いや決意を今こそここで語り合い、論議することをぜひとも、重ねてお願いし、これを主催者あいさつといたします。


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