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反核平和運動・反核平和運動

「核兵器全面禁止のアピール」を支持する署名の提出にあたって
すべての国連加盟国政府にただちに核兵器全面禁止の交渉開始をよびかける

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2011年10月
原水爆禁止日本協議会国連要請代表団

第66回国連総会第一委員会の審議の開始にあたり、私たちは「将来の世代を戦争の惨害から救う」という国連創立の目的に沿い、核兵器の廃絶、軍縮と平和の促進のためにみなさんの実りある討論と成果を期待します。

私たちの原水爆禁止日本協議会は、1954年3月1日、中部太平洋ビキニ環礁で行われた米・水爆実験が引き起こした国民的な原水爆禁止の声を背景に、1955年9月19日に結成されました。以来私たちは、結成に先立つ同年8月の第一回原水爆禁止世界大会を含め、毎年8月の原水爆禁止世界大会の開催、広島・長崎の被爆者と協力した被爆の実相と証言の普及、平和行進や草の根での絶え間ない署名活動など、多様な努力を通じて核戦争阻止、核兵器全面禁止・廃絶、被爆者援護の三つの目標を実現するために活動を続けています。


今回、私たちが国連を訪れたのは、ことし2月15日から世界の平和運動にも呼びかけて新たに開始した「核兵器全面禁止のアピール」を支持する署名を国連総会に届け、あわせて署名に込められた被爆国日本国民の核兵器廃絶の願いをすべての国連加盟国政府のみなさんにお知らせするためです。

最初に、私たちが出発する前日の9月30日までに私たちの本部に寄せられた1,029,031筆の署名を目録ならびに写真とし、一部、サンプルとして持参した署名とともにここに提出いたします。これらの署名の中には、日本全国1746の市区町村の内766市区町村の首長、97の副首長、557の地方会議議長、42副議長、131教育長の署名が含まれています。なお、766首長の数は全市町村区の44%にあたります。また、この中には広島・長崎の被爆者や、今年3月11日、東日本一帯を襲った巨大地震と津波、福島第一原発の危機のなかで、なお平和を願って集められた被災地のみなさんの署名などもあります。いずれも、核兵器のない世界を願う人々が、酷寒の冬も、猛暑の夏も街頭に立ち、地域をまわってあつめたものです。


広島・長崎への原爆投下から66年、いま私たちの前には核兵器のない世界を実現する重要な機会が訪れています。昨年5月、核不拡散条約(NPT)再検討会議開会を前に、潘基文国連事務総長はニューヨークに集まった世界の平和運動の代表に、「いま、地平線の上には核兵器のない世界が現れている」と言い、それぞれの行動を続けるよう励ましました。

実際、2010年NPT再検討会議は、「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」ことを「目標」とし、その実現のために核兵器国が、「自国の核兵器の完全廃絶」の約束を実行すること、すべての国の政府がその「枠組み」を確立する「特別の努力」を行うこと、その実現のために核兵器禁止条約の交渉を含む潘基文国連事務総長の提案に留意することなどを、行動計画として合意しました。

 

私たちはまた、昨年12月、国連総会が行なった核軍縮関連諸決議の採択結果にも注目しています。とりわけ、マレーシアなど39カ国が共同で提案した「核兵器の使用ないし威嚇に関する国際司法裁判所の勧告的意見の後追い」の決議は、核兵器の全面禁止・廃絶に至る多国間交渉の開始を求めており、それに賛成票を投じた133の国々の中には、5つの核兵器国の一つの中国、NPTの枠外で核兵器を開発したインド、パキスタン、さらには北朝鮮も賛成票を投じています。

 

この事実は、すでに189のNPT締約国のなかですでに184もの国々が「非核兵器国」として、みずからに核兵器を開発も取得もしないという条約上の義務を課していることと合わせ、ほんの一部の核保有国が決断すれば核兵器全面禁止条約の交渉開始は、すぐにでも可能であることを示しています。

 

残念なことに、「核兵器のない世界」の追求を約束した2009年の国連安保理特別会合からすでに2年を経た今も、核兵器禁止の協議は、なお一部にある「核抑止力」論や「拡大抑止」論によって実現を阻まれています。しかし、核兵器を持つ国やその同盟国がいつまでも、核兵器を「安全の保証」と主張し続ける限り、「核兵器のない世界」が実現しないばかりか、核拡散の危険を克服することもできません。

 

私たちは、「核兵器のない世界」の達成を誓ったすべての政府が、そのことを口にし、核兵器全面禁止交渉の実現のために具体的な行動を起こすことを強く呼びかけるものです。

 
 

私たちはまた、米ロの新たな核兵器削減、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効、カットオフ条約の交渉開始と早期締結、安全保障政策における核兵器の役割の低減、NPT再検討会議の合意に沿った中東非大量破壊兵器地帯のための2012年国際会議の開催などの努力を支持します。同時に私たちは、これらの努力を促進するためにも核兵器全面禁止条約でのコンセンサスと交渉開始の重要性を強調するものです。

 
 

最後に、今年3月11日、巨大地震、津波とともに起こった福島第一原発の事故を経て、私たちは、「ノーモア・ヒバクシャ」を掲げてきた運動として、これ以上人類に対する放射能の被害を許さない立場から、原発からの撤退と自然エネルギーへの転換をめざす内外の運動と連帯を強める決意を新たにしています。フクシマの被害の現実が示すように原発の過酷な事故はひとたび起これば、人類は、国境を越えた放射性物質の飛散と汚染の拡大を防ぐすべを持ちません。この問題でも、国際社会が連帯して、安心・安全の再生可能エネルギーへの転換へ、新たな合意を作り出すことを期待するものです。

 

 

 

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