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反核平和運動・反核平和運動

パン・ギムン国連事務総長が5月1日、リバーサイドチャーチで行われた国際平和会議閉会総会で発言した内容は次の通りです。

国際平和会議(リバーサイドチャーチ)でのパン・ギムン国連事務総長の発言

みなさんのご苦労と献身を存じています。
ご自身の原則と信念のために払っている犠牲を知っています。
はっきりとものを言い、抗議し、このもっとも高貴な希求である世界平和の旗を掲げるのにどれだけ勇気を必要とするかを知っています。ですから、私は何よりも皆さんに感謝を申し上げるために、今夜ここにきています。

リバーサイドチャーチというこの有名な場所で、みなさんにお話しすることに身のひきしまる思いです。ここは、マーチン・ルーサー・キング牧師がベトナム戦争に反対する発言をした場所です。ネルソン・マンデラ氏は、釈放された後の初の訪米の際、ここでスピーチを行いました。皆さんとここに集い、見渡すと、そのとき何を見たのかが判ります。この世界を動かすために各地からここに集ったおびただしい数の献身的な人々です。

それは私たちに、人生においてもっとも重要なことを思い起こさせます。問題は、権力者のメッセージではなく、むしろ民衆の側からの運動だということです。みなさんのような人々の運動のことです。ですから私は申し上げます。努力を続けましょう。私たちが共有するビジョンは実現可能です。それは核兵器のない世界です。

月曜日から始まるNPT再検討会議を前に、私たちは世界が注目していることを知っています。私たちの声を響かせましょう。いますぐ核兵器を廃絶せよ(disarm now)!

みなさん、

就任以来私は、核軍縮を最優先の課題にしてきました。おそらく、部分的には、この深い個人的な献身は、朝鮮戦争後の韓国で少年時代を過ごしたことにあります。
私の学校は瓦礫の山でした。壁はありませんでした。野外で勉強をしたのです。国連が私の国を再建しました。私が教育を受けられたのは幸運なことでした。しかしそれよりも、私は平和について、連帯について、そして何より地域社会の行動の力について学んだのです。
このような価値は私にとっては抽象的な原則ではありません。私の人生はそれらの恩恵を受けてきました。私は自分の仕事を通して、それらを具体化しようと努めています。

ちょうど数週間前、私はグラウンドゼロを訪れました。ソ連が450回以上の核実験を行った、カザフスタンのセミパラチンスクです。そこは不思議なほど美しいところでした。見渡す限り素晴らしい緑の大草原でした。しかしもちろん、惨害の規模はすぐには見えません。

この広大な地域に、人々はいまだ立ち入ることができません。湖と川は毒され、人びとは癌と先天異常に苦しんでいます。

1991年の独立後、カザフスタンはこの実験場を閉鎖し、領土から核兵器を撤去させました。今日、セミパラチンスクは力強い希望の象徴です。それは武装解除の新たなグラウンドゼロであり、中央アジア非核地帯が産声を上げた場所です。

8月、私は別のグラウンドゼロを訪れます。秋葉市長が誇る広島市です。広島で、私はもう一度、核兵器のない世界を求めて声をあげます。広島と長崎の人々、とくに被爆者は、核戦争の脅威を痛いほど知っています。

ふたたび繰り返してはなりません!

しかし65年経っても、この世界はいまだに核の影の下にあります。この脅威を取り除くため、あとどれだけ待たなければならないのでしょう? この問題を、この先どれだけの世代に引き継がせるのでしょうか。

ここに集っている私たちは、この無意味なサイクルを終わらせる時が来ていることを知っています。核軍縮は遠い未来の達成できない夢ではありません。これはまさに今取り組むべき緊急の課題なのです。私たちはこれを達成する決意を固めています。

かつてもう少しでこの課題を達成できるところまで近づいたことがありました。24年前、レイキャビクで、ロナルド・レーガンとミハイル・ゴルバチョフが、核兵器廃絶の合意がほとんど達成されるところまできたのです。これは、ビジョンと意志を持っている限り、私たちがどれだけ目標に近づけるかを劇的に示しています。

現世代の核の交渉者たちはこのレイキャビクの経験から教訓を学ぶべきです。大胆になりましょう。大胆であるべきです。なぜならそれが大きな結果をもたらすからです。だからこそ、くり返しますが、みなさんのような人が必要なのです。

世界には武器がありすぎ、平和には資金が足りないと理解している人びとです。変化をもたらすのは今だと理解している人びとです。

みなさん、

NPTは40年前に発効しました。以来この条約は、不拡散体制と核軍縮の努力の土台となってきました。ガーソン氏の言葉を引用すれば、これは20世紀でもっとも影響力の大きな条約のひとつです。思い出しましょう。1963年、専門家たちは20世紀の終わりまでには25もの核大国が誕生しているだろうと予想していました。それはおこりませんでした。その大きな理由は、NPTが世界を正しい方向に導いたからです。

今日、私たちは、私たちの楽観主義を新たにする理由があります。世界の世論は私たちの側に動いています。各国の政府は、問題を新たな角度から見ています。ごく最近の出来事を考えてみてください。

米国が自国の核態勢見直しを発表し、非核保有国がNPTを順守する限り、彼らに対する核兵器使用をしないと誓いました。プラハでは、オバマ大統領とメドベージェフ大統領が、核軍備を大幅に削減するための新たな戦略核削減条約に調印しました。ワシントンでは、47カ国の首脳が、核兵器・物質をテロリストの手に渡さないために努力することで一致しました。

そして月曜日、NPTの新たな章の幕開けを期待しています。2005年、世界の指導者たちが前回のNPT再検討会議に集いましたが、予期された結果はもたらされませんでした。ありのまま言えば、それは完全な失敗に終わりました。再び失敗するゆとりはもはやありません。
現に、世界には25000発の核兵器が存在しているのです。

核のテロは現実的で今日的な脅威となっています。中東での非核兵器地帯創設は進展を見せていません。イランと北朝鮮の核開発プログラムは、核拡散を抑える地球的努力にとって重大な懸念となっています。

これらやその他の問題に対処するために、私は5つの行動計画を打ち出しました。みなさんの心強い反響に感謝します。私は、核兵器禁止条約の締結をという考え方へのみなさんの支持を強く歓迎しています。NPT第6条は、国際管理のもとでの全面完全軍縮条約の交渉を追求することを締約国に求めています。これらの交渉はずっと前からおこなうべきものでした。

来週、私は全ての国、とくに核保有国に対し、この義務を果たすようよびかけます。この会議に非現実的な期待を持つべきではありません。しかし、目標を低く設定してもなりません。

地平線の先には核兵器のない世界が見えています。これを現実のものにしようと活動する人びとが見えています。どうか行動し続けてください。警告を鳴らし、圧力をかけ続けてください。みなさんの指導者に対し、核の脅威をなくすために個人としても何をしているのか問いかけてください。

とりわけ、良心の声であり続けてください。私たちは必ず世界から核兵器をなくすでしょう。そしてそれを達成するのはみなさんのような人びとのおかげであり、世界はみなさんに感謝するでしょう。ありがとうございました。

 

 

 

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