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【反核平和運動】

北海道洞爺湖G8サミットに際し、国際平和ビューローとパックス・クリスティ・インターナショナルから、G8諸国に「核兵器廃絶のリーダーシップを求める」声明が届いていますので、ご紹介します。

G8:今、軍国主義と核兵器に行動を!

国際平和ビューロー
2008年7月2日

G8諸国のリーダーたちは、世界的な危機の高波に直面している。それは、その根底にある基本的な問題を見ずして解決困難なものだ。特に二つの相互に関連しあう問題がある。軍事費と核兵器だ。

専門家と政策決定者が、石油・食料価格の安定化、気候変動の緩和、貧困の解決のための資金を確保しようと争っているときでさえ、数字を見ると、軍事費は再び「聖域」になっている。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は6月9日、2007年の世界的な軍事費の合計は、前年から6%上昇し、1兆3390億ドルに達したと発表した。さらに、世界最大の武器商人はG8の最も力のある国々であることは言うまでもない。国際平和ビューロー(IPB)は、「持続可能な発展のための持続可能な軍縮」を主要課題として進めており、その点から、軍国主義への大幅な投資を遺憾に思い、緊急に何が優先であるかを見直し、特に、軍事費を減らすことによって、貧困とたたかう新たな国際的基金の確立に合意することを求める。

核兵器は依然として世界の安全保障にとって最も緊急な脅威である。たとえば、現在のイランをめぐる問題など、政治的軍事的危機は簡単にコントロールできなくなるからだ。核兵器の存在そのものが、民間人の大量殺戮と環境の重大な汚染をもたらす恐れがある。しかし、G8諸国は、自らの核兵器の近代化計画は批判せず、テロリストが大量破壊兵器を使用する危険のみ問題にしているようだ。G8諸国に対し、核兵器のない世界に進むという目的を明確に宣言し、核兵器条約にいたる交渉の開始の期日を設定することによって、大西洋の両側の古参の政治家たちによるイニシアティブを追求することを求める。

核兵器による爆撃をこうむった唯一の国であるということから、議長国日本は固有の役割を負っており、サミットでG8諸国と話し合いを行い、核兵器全廃のために早急な措置を講じる緊急性を痛感させるという特別の責任を持っている。

 

完全で不可逆的な核兵器廃絶を達成するための力強いリーダーシップを

パックス・クリスティ・インターナショナル
2008年6月8日

 

世界各国で活動する100を超える加盟団体を持つ国際カトリック平和運動のパックス・クリスティは、2008年7月7‐9日に北海道で開催されるG8サミットを前に、この声明を発表する。

G8サミットの日本での開催は、サミットの議題に不拡散問題が加えられたことを非常に適切で理にかなったものとした。

広島と長崎への原爆投下という類をみない悲痛な経験をもつ日本は、核兵器の保有、開発と国内への持ち込みを禁止してきた。それは核兵器の惨劇を世界から無くそうと取り組んでいる全ての人々に希望を与えてきた。日本国憲法第9条が「国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としてはこれを放棄」したこともまた、国際紛争の非暴力的解決に取り組む世界中の人々に希望を与えてきた。このように国家が平和への献身を示した例はほかにほとんど存在しない。G8諸国と国際社会は、憲法9条を保持していることを称賛し強く支持するべきだ。

パックス・クリスティは、繰り返し地球上から核兵器を廃絶することを要求してきた。国家と非国家主体のいずれも、核兵器を使用、脅迫、保有することは不道徳である。私たちは、G8の指導者たちが核兵器の完全で不可逆的な廃絶の達成と不拡散条約(NPT)と不拡散体制の強化のために、力強いリーダーシップを発揮するよう要求する。

パックス・クリスティは、新たに差し迫っている軍拡競争の不吉な兆候が現れつつあることを深く懸念している。飢餓が増大する人類社会も危機に瀕している地球も、このような後退を受け入れる余裕はない。憲法9条破棄の試み、何十億ドルもかけて国家の核兵器生産能力を再建するための米核生産施設再編計画、東欧も含めて現在配備が計画されているミサイル防衛システム、米印原子力協定などすべてが、軍縮、特に核軍縮の可能性が徐々に後退していることを世界に示している。

何十年もの間、国際社会は不拡散体制を作る取り組みを続け、核兵器の拡散阻止に貢献してきた。NPTに調印することによって、核保有国は条約第6条のもとでの核軍縮の目標にむけて取り組み、非核保有国は核兵器を入手しないことを約束した。未だに保有を宣言していない核保有国も含め、より力を持つ国々が自国の核能力を追求、維持または強化している中で、G8諸国はイランと北朝鮮に核開発計画を放棄するよう強制することはできない。

私たちはG8諸国指導者が、積極的に核軍縮分野における多国間協力を活性化させ、政治的議題の中で不拡散と軍縮を優先課題に位置づける特別の責任を負っていることを認識するよう求める。中東に非核兵器地帯を創設することは特に緊急の課題だ。

人類と地球の生存は危機に瀕している。平和、持続可能な人類の発展、全生物の保全は、資本を独占し、危険な状況を永続化させている軍需産業よりも優先されなければならない。人命と全ての生物は神聖であり、核兵器の開発、保持、使用の威嚇と使用は、道義とはかけ離れたものである。人類社会は自らの安全保障追求の道を方向転換することを余儀なくされている。全人類の安全が保障されなければ、誰の安全も保障することはできない。

              パックス・クリスティ・インターナショナル執行委員会

 

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