【反核平和運動・原水協の声明と決議】
日本政府への申し入れ
内閣総理大臣 鳩山由紀夫殿
外務大臣 岡田克也殿
日本政府への申し入れ
ことし4月のオバマ大統領のプラハ演説、7月の米ロ戦略核削減合意に続き、9月24日の安保理会合にむけて米国政府が「核兵器のない世界」に言及した新たな決議を準備するなど、核兵器廃絶の機運が大きく高まっています。
広島・長崎の被爆から64年余をへたいまも2万発以上の核兵器が蓄積・配備され、北朝鮮の核開発に見られるように、新たな核拡散の危険も強く懸念されているいま、核兵器廃絶への努力をこれ以上遅らせるべきでないことは明らかです。
新政権の発足にあたり民主、社民、国民新党の3党が結んだ政策合意は、「核軍縮・核兵器廃絶の先頭に立つ」ことを明記しました。オバマ大統領は、「核兵器を使った唯一の国の道義的責任」として、核兵器のない世界のために行動する決意を述べましたが、日本もまた、唯一の被爆国として世界に被爆の実相を伝え、核兵器廃絶の国際的努力の先頭に立つべき崇高な役割と責任を負っています。
ついては来春のNPT再検討会議を前に、当面する安保理事会および国連総会の審議に向け、日本政府が以下の諸点に努力を傾けられることを強く要請するものです。
1、当面する安保理事会および国連総会での核軍縮・不拡散に関わる審議で、核兵器全面禁止の実現を国連および全加盟国の最優先課題のひとつとしてよびかけ、共通の合意として確認するよう提起すること。
従来の日本政府提案の総会決議「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」の内容を見直し、すべての国に等しく法的拘束力を持つ核兵器全面禁止の必要性および、その実現のための協議の開始を提起すること。
核兵器の使用禁止、非核兵器国に対する核兵器不使用(消極的安全保障)などの緊急措置や、核兵器廃絶交渉開始を求める諸決議に対する、これまでの「棄権」の態度を改め、それらの実現のために協調すること。
2、総会での首脳演説に当たり世界唯一の被爆国として、核兵器の全面禁止を求め、合わせてこれまでの国会決議を基礎に、日本が核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を国是とする国であることを宣言すること。
これまで日本政府は国連総会でも「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」を口にしながらも、実際には、核兵器全面禁止・廃絶を国際政治の目標とし、協議を開始することに消極的態度を取り続けてきました。また、核兵器の日本持ち込みについて米国との間で密約を結んで自国の国民を欺きつづけ、国際的にも「二重基準」で行動する国として不信を買っています。
新たに発足した政府が、そうした不信を払拭し、「核兵器のない世界」のためにイニシアチブをとる国、東アジアでも非核化の道義的リーダーシップを発揮できる国として信頼を得られるよう、上記の提言を生かされることを心から希望するものです。
2009年9月17日
原水爆禁止日本協議会
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