核兵器使用計画の即時廃棄と
核兵器廃絶への根本的転換を要求する
米国防省の「核態勢見直し」報告の危険な内容が次々と明らかにされている。イラク、イラン、北朝鮮などブッシュ大統領が一般教書で「悪の枢軸」などと名指しした国に加えて、リビアやシリア、果ては中国やロシアも攻撃対象に加えた核使用計画であることが、この間、報道によって明るみに出されている。
しかも、これらの計画は、9月11日のテロ事件を口実にした現在のアフガニスタン攻撃に加えて、今後の「アラブ・パレスチナ危機」、「化学生物兵器攻撃への報復」、「予期せぬ軍事的変化」などをあげ、核攻撃の対象とし、あらたな核兵器の開発まで急がせている。
そもそも、テロの根絶についていうなら、これは国際犯罪への対応の問題であり、なんの罪もない無数のアフガニスタン国民を犠牲にしているアメリカの戦争行為はただちに中止されるべきものである。ましてや、国際紛争のあれこれや、はては「将来の不安」などを理由に核兵器使用計画を練るなどということは、およそ正気の沙汰ではない。
同時に、今回の事態は、ブッシュ政権の登場、とりわけ9月11日のテロ事件以来、アメリカからのあらゆる圧力を受け入れ続けてきた日本政府の対米追随姿勢の危険性をきわめて明白に示している。
これまで歴代の自民党政府は、「抑止力」とか「核の傘」の名でアメリカの核兵器を弁護し、容認してきたが、アメリカが実際に立てている計画は、たんに「抑止」のためだけでなく、現実に紛争のなかで核兵器を使用することである。しかも、ブッシュ政権は、ほかならぬアジアでこの計画を推し進めようとしている。
われわれは、アメリカ政府に対して、「核態勢見直し」の全文公表と核兵器使用計画の即時廃棄を要求する。同時に、我々は日本政府に対してアメリカの核政策・戦争政策へのいっさいの加担をやめ、「非核三原則」の厳正な実施を要求し、また、アメリカの核使用に日本を巻き込む危険さえつくり出す「有事法制」の企てを中止するよう強く主張する
【反核平和運動・原水協の声明と決議】
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