原水爆禁止日本協議会事務局長 高草木 博
「憲法も変えようとする時代だから」とか、「国際情勢が変化すれば」とかの理由で、非核三原則を反故にしようとの、福田康夫官房長官など政府首脳の発言が報じられている。また、福田氏は、もともと核保有は憲法に反しないが、政策的に保有しないだけだという自民党の歪んだ憲法論をくり返している。 これらの発言は、核兵器廃絶をめぐる世界の流れも、そのなかで日本が果たすべき被爆国としての重要な役割もまったく眼中にないおどろくべき暴論である。 核兵器廃絶が世界の趨勢であることは、2000年5月、核保有5カ国も含めた核兵器廃絶の合意が成立し、世界の圧倒的多数の国が、その実行を求めていることにもはっきりと現れている。広島・長崎と二度にわたる核の惨禍をうけた日本は、本来、その先頭にたつべき役割を持っている。 今回の発言は、アメリカの戦争に日本を動員する「有事法制」の企てとも連動したものであり、核兵器使用を選択肢とするというブッシュ政権の動きに迎合するためには日本国憲法を蹂躙し、国是を投げ捨てる小泉内閣の体質を示している。この点でも日本の政治を担当する小泉内閣の資質は、厳しく問題にされなければならない。 われわれは、「発言」の撤回、「非核三原則」の厳守を強く要求するとともに、日本を核兵器廃絶と平和に貢献できる国とするために、国民的運動を大きく広げるものである。
2002-6-1
【反核平和運動・原水協の声明と決議】
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