2004年原水爆禁止世界大会

 

原水爆禁止2004年世界大会

国際会議

ウラン採鉱反対連合

チャンナ・B・マダパティ

ノーモア・ウラン、ノーモア・ヒバクシャ

私たちウラン採鉱反対連合は、広島・長崎のホロコーストは世界における核戦争の始まりであったと考えています。それ以降、いくつかの核戦争がたたかわれました。ヒロシマ・ナガサキほどの大きさではないものの、これらの核戦争は潜在的な核被害をもたらし、罪もない人々に放射線に起因する疾病や死をもたらしました。第一次湾岸戦争以降、バルカン諸国、アフガニスタン、そして再び今回のアメリカの対イラク戦争で、大量の「劣化ウラン(DU)」弾が使用されました。劣化ウラン弾の使用は、非戦闘員のガンや死を引き起こしたばかりか、アメリカなどこれらの戦争に参加した国々の兵士の健康もむしばみました。

ウラン採掘と加工のプロセスは、毎日が核戦争のようなものです。それはこのプロセスに関わる人々や周辺地域の住民までも、絶え間なく放射性物質に被ばくさせているのです。ウラン採鉱活動の被害者は、インドであれオーストラリアであれ、基本的に先住民や部族民です。これら被害者の声は、主流メディアや核軍縮運動・議論のなかでは十分に聞こえてきません。とくにインドではそうです。

インドではウランの採掘や加工は1960年代半ばからジャルカンド州にあるジャドゥゴダでおこなわれています。これまでのところ、これらのウラン鉱山は、インドに14基ある原子炉にウランを供給している唯一のウラン鉱山です。数十年にわたるウランの採掘、加工、廃棄物投棄は、周辺の村に悪影響を与え、住民の生活を不幸に陥れてきました。かつて自由で健康であった、これらの村に住む罪もない部族の人々は、現在、危険な病気や異常、そして死に脅かされています。これらの健康被害が地元のマスコミで報道されたにもかかわらず、インドウラン公社(UCIL)当局および原子力省(DAE)はそれを強く否定しています。しかし、ベドチイ(グジャラート)のスムプールナ・クランティ・ビディヤラヤの医療専門家が実施し、最近発表した独立の医療調査は、ウランの採掘や加工のおこなわれている村々で、先天性奇形や知的障害、多指症(手足の指が多い),合指症(指が少ない,あるいはくっついている)、肺ガン、桂肺症といった事例が増加していることを確認しています。

ウラン採掘被害者の親族や友人によってジャルカンド放射線反対機構(JOAR)がつくられたことは、ウラン採掘地方では重要な出来事とみなすことができるでしょう。それ以降JOARは部族の人々の権利を主張し、ウラン採掘に反対する先頭にたってきました。強い自覚と決意をもったJOARは、ウラン採掘・加工の問題について地元の人々の認識を高めてきました。このような努力は、世界の全ての国々の人民の運動からの大きな支援を必要としています。

 UCILはジャドゥゴダで40年間ウラン採掘を続けた後、北東部のメガラヤ州ドミアシアートと南部アンドラ・プラデシュ州ナルゴンダに新たなウラン鉱脈を発見しました。UCILはこれらの鉱山で試験的な採掘をおこないました。UCILは最初にドミアシアートで採掘を開始しようとしました。しかし、地元の部族の激しい反対と、この地方を統治している機関であるカシ・ヒルズ自治区評議会とよばれる憲法で保障された自治体議会が、一度与えた暫定的な採掘許可を取り下げたために、この努力は失敗に終わりました。

 UCILが次に注目したのはナルゴンダでした。UCILは環境アセスメントのデータや情報をねつ造したばかりか、贈賄行為によって地元住民を買収しようとしました。しかし、ウラン採掘に反対する個人や30以上の団体の協議体であるウラン採鉱反対運動(MAUP)ジャナ・ビグナナ・ベディカ(JVV)、人権フォーラム(HRF)およびランバダ・ハックラ・プーラタ・サミティ(地方部族の権利擁護委員会)のような市民団体が、環境アセス報告書の欠陥やUCILの贈賄行為などを暴露しました。アンドラ・プラデシュ州汚染管理委員会(APPCB)が2003年7月19日におこなった公聴会では、ウラン採鉱計画にたいして多数の人々が反対の声をあげました。結局、APPCBはナルゴンダでウラン採鉱・加工をするというUCILの提案を拒否しました。

 しかし市民社会団体の抗議にもかかわらず、UCILはドミアシアートあるいはナルゴンダでのウラン採掘の企てをやめていません。ウラン採鉱反対連合は、2004年ムンバイで開催された世界社会フォーラムにおいて、ジャルカンド、アンドラ・プラデシュ、メガラヤの3州の反ウラン採鉱グループによって結成されました。この連合は現在、インド国内のウラン採鉱反対運動の調整役を使っています。

 ウラン採鉱反対連合は、いわゆる「平和的な核計画」などありえないと考えています。核活動はどんなものであれ、放射線が引き起こす病気や死をもたらす本来危険な活動です。「平和的核計画」という言葉は核兵器開発を隠すために使われる用語にすぎません。このように私たちは別の種類の国内の核戦争をたたかっているのです。この戦争は核実験や原子力発電所に関連する事故、そしてもっと日常的なものとしてウランの採鉱・加工・廃棄物投棄の形態をとっています。このように核サイクル全体が、巧妙な核戦争なのです。

 ウラン採鉱反対連合は、ヒロシマ・ナガサキのホロコースト59周年にあたり、世界の全ての核軍縮・平和運動にたいし、核問題を全体的にとらえ、ウラン採鉱、原子力発電そしてあらゆる種類の核兵器計画に反対するように強くよびかけるものです。この会議の目的である「核兵器廃絶、ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ」は、世界の各地で粘り強いたたかいを続けることによってのみ可能になるのです。

連絡先:

Anti-Uranium Mining Alliance, India (JOAR, MAUP, JVV and KSU)

M. Channa Basavaiah: chennaou@rediffmail.com or Shriprakrash: kritikashri@hotmail.com

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