2004年原水爆禁止世界大会

原水爆禁止2004年世界大会

国際会議

駐オーストリア・マレーシア大使

国連ウィーン事務所常駐マレーシア代表

フセイン・ハニフ

核兵器廃絶の展望

全般

1. マレーシアは、核廃絶こそが軍縮の最大の懸案であると考えます。世界、特に核保有国は、核軍拡競争を終わらせ、核兵器を段階的に削減する義務があると考えます。

2. マレーシアは、核保有国にたいしNPT第6条の定める義務を履行し、核軍縮の誓約を守るように求めています。これに関して、特定の期間内で、核保有国自身が自国の核兵器の段階的削減計画をつうじて核軍縮に取組み、完全に廃絶することが重要です。

3. マレーシアは、NPTを核兵器の拡散を抑えるために国際社会が確立した普遍的な体制とみなしています。NPTは核兵器拡散を国際安全保障にたいする脅威であるという基準を確立しました。マレーシアは、NPT加盟国が、国際平和と安全保障の条約のかなめ石であるこの条約の普遍性を積極的に促進するべきだと考えます。私たちの考えでは、条約を最終的に普遍にすることをめざした活動を続けることは、全てのNPT加盟国の責務です。

核軍縮

1. マレーシアは、依然として最優先課題である核軍縮にむけた前進が遅れていることを憂慮しています。

2. マレーシアは、核保有国が核軍縮につながる核兵器廃絶を達成することが遅れていることに懸念を表明します。

3. マレーシアは核兵器完全廃絶の達成の必要性とともに、これにかんして直ちに交渉を開始する緊急の必要性を強調するものです。

抑止ドクトリン

1. マレーシアは核兵器使用の理由となる戦略防衛ドクトリンを深く懸念しています。冷戦の終わりは、核の大惨事の危険を取り除きませんでした。実際、いくつかの状況において、また先制攻撃ドクトリンを含む安全保障ドクトリンが台頭するなかで、核兵器の使われる紛争がおきる危険性は高まったかもしれません。

2. アメリカがおこなった核態勢見直し(NPR)にかんして、マレーシアアはこの見直しのもとで新型核兵器開発が検討されていることを深く憂慮し、非核保有国にたいする核兵器使用と使用の威嚇という規定は、核保有国が与えた消極的安全保証の約束に違反していることを再度指摘するものです。

3. マレーシアは、新型核兵器の開発は、CTBT(包括的核実験禁止条約)締結時にこの条約は既存核兵器の改良や新型核兵器の開発を阻止するものだという核保有国が与えた保証に反していることを強調するものです。

4. 核保有国は、核抑止力ドクトリン以外を通じて安全保障を実現する手段を見つけなければなりません。

モスクワ条約

1. マレーシアは、ロシア連邦とアメリカのあいだで2002年5月24日に戦略攻撃削減条約(モスクワ条約)が調印されたことに注目しつつも、配備や実戦態勢にある核兵器を削減することは、核兵器の後戻りできない削減や廃絶に代わるものではないことを強調するものです。この条約には、期限、検証、後戻りのできない措置が欠けています。

軍縮会議

1. マレーシアは、軍縮にかんする唯一の多国間交渉機関としての軍縮会議の重要性を再度主張するものです。

2. マレーシアは、核軍縮にかんする特別委員会の設置を依然として妨害している一部核保有国の頑強な姿勢を深く遺憾に思います。これにかんしてマレーシアは、8年が経過したにもかかわらず、この義務の履行がなんの進展もみていないことに失望しています。

3. マレーシアは、核兵器禁止条約をふくむ、期限をきった段階的な核兵器完全廃絶計画についての交渉を開始する必要性を強調するものです。

4. マレーシアは、軍縮会議に対し、できるだけ速やかに、また最優先課題として、核軍縮特別委員会を設置することをよびかけます。

核分裂物質カット・オフ条約

1. マレーシアは、核兵器あるいは他の核爆発装置用の核分裂物質の生産を禁止する非差別的、多国間により、国際的および実効的に検証可能な条約の交渉をする軍縮会議の「核軍拡競争の停止と核軍縮」と題する議題1のもとでの特別委員会の設置を支持するものです。これにかんして、マレーシアは提案されているカット・オフ条約は、分裂物質の将来の生産だけでなく既存のものも対象にふくめるべきであると考えます。

国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見

1. マレーシアは、厳密かつ実効的な国際管理のもとで、あらゆる面での核軍縮につながる交渉を誠実に続け、これを完了させるという義務が存在するという全員一致のICJ判断を再度強調するものです。

2. マレーシアは、期限をきった段階的核兵器廃絶計画に合意することを目的とした、全ての核兵器廃絶、核兵器の開発、製造、獲得、実験、貯蔵、移転、使用と使用の威嚇を禁止し、核兵器の廃絶を定めるための国際会議を、できるだけ早期に開催することを再度よびかけます。

安全保障

1. マレーシアは、核兵器廃絶こそが核兵器の使用あるいは使用の威嚇にたいする唯一の絶対的な保証であることを再度指摘するものです。

2. 核兵器が廃絶されるまで、非核保有国にたいする安全保証の確約についての普遍的、無条件、法的拘束力のある条約締結の努力を優先事項として追求すべきです。

包括的核実験禁止条約(CTBT)

1. マレーシアは、いかなる国による核実験にも反対し、核実験に反対する圧倒的な国際世論を強く支持します。

2. マレーシアは、全ての核保有国をふくめCTBTへの普遍的加盟達成の意義を強調します。それはとりわけ核軍縮プロセスに貢献するはずです。

3. マレーシアは、この条約の目標を完全に実現するためには、全ての調印国、とくに核保有国が、核軍縮に取組むことが不可欠であると考えます。

非核兵器地帯

1. マレーシアは、非核兵器地帯の創出が、世界と各地域の平和を強固にし、核不拡散体制を強化し、核軍縮の目標達成に貢献すると考えます。

2. マレーシアは、トラテロルコ条約、ラロトンガ条約、バンコック条約およびペリンダバ条約によって創出された非核兵器地帯が、世界の核軍縮という目標達成にむかう積極的な一歩であると考えます。

3. マレーシアは、該当地域の諸国のあいだで自由に達成された合意にもとづく新たな非核兵器地帯の創出をめざす努力を歓迎します。

4. 非核兵器地帯についてマレーシアは、核保有国が、非核地帯内の全ての国にたいし、核兵器の使用や使用の威嚇をしないという無条件の保証を提供することが最も重要であると考えます。

5. マレーシアは、各国に、非核地帯のない地域、特に中東、南アジア、北東アジアなど不安定な地域に新たに非核兵器地帯を創出することをめざす協定を結ぶようよびかけます。

6. マレーシアは、モンゴルの非核兵器国としての地位を支持し、このような地位を制度化することは、この地域で核不拡散体制を強化する重要な措置であると考えます。

7. マレーシアは、キューバがトラテロルコ条約を批准し、この条約が適用される地域で完全に発効したことを歓迎するものです。

8. マレーシアは現在おこなわれているASEANと核保有国のあいだの東南アジア非核兵器地帯条約議定書についての協議を歓迎するとともに、核保有国にたいし、この議定書にできるだけ早期に加盟するようよびかけるものです。

9. マレーシアは、中央アジアの全五カ国が、できるだけ速やかに中央アジア非核兵器地帯を創出すると決定したことを歓迎します。

10.マレーシアは、トラテロルコ、ラロトンガ、バンコック、ペリンダバ条約の締約国、調印国、批准国が参加する国際会議を適切な時期に招集し、これらの国々、条約諸機関その他関係する諸国のあいだでの協力の方法や手段について議論し、それを実施するという提案を支持しています。

NPTの普遍性

1.マレーシアは、NPTに未加盟の3カ国、すなわちインド、イスラエル、パキスタンにたいし非核保有国としてNPTに加盟するようによびかけます。

北朝鮮のNPT脱退

1.マレーシアは、朝鮮民主主義人民共和国がNPTを脱退したことでNPTにおよぼされる重大な影響を懸念しています。

2.マレーシアは、この問題の直接の当事者らにたいし、平和的な対話と交渉でこの問題を解決するようによびかけます。

 

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