原水爆禁止2002年世界大会 長崎

ミーリャ・カビロワ

友人の皆さん!

今日ここにはさまざまな国の代表が、広島と長崎の被爆者に連帯を表明するため、何千キロの距離を乗りこえて集いました。核兵器の恐ろしさを体験し、放射線の被害を受けた者としてこの場所に一緒にいるのです。

日本の街には原子爆弾が落とされ、ネバダ・マーシャル諸島・ビキニ環礁・セミパラチンスクの住民は核実験の犠牲となったように、私が住む地域の人々は核産業の犠牲となりました。

私はロシアのチェリャビンスク州から参りました。そこには核兵器の主原料となるプルトニウムを生産するための軍産複合体「マヤーク」があります。

この軍事コンビナートが操業している50年の間に大きな事故が3回起こり、150万人以上が被曝しました。そしてコンビナートの近隣に住む人たちは、今でも低線量被曝を受け続けているのです。

昨年ロシア政府と大統領は、利益を求めるために環境保護法を変えてしまい、ロシアに外国から放射性廃棄物を運び込めるようにしてしまいました。アメリカ合衆国、日本、台湾、韓国、スイスから放射性廃棄物がもちこまれようとしています。私たちはこの問題についても知り、きちんと理解しなければいけません。

テロ事件が起こる可能性が大きくなっている状況で、広い国の中を移送するのはたいへん危険です。しかもロシアの鉄道の状態はあまりよくないのです。

ロシアの処理施設の能力ではこれほどの大量の廃棄物は処理できません。結局は埋蔵されて周辺環境を汚染することになってしまいます。しかも再処理されたあとの廃棄物は住民にとってもっと危険なものになります。

私は今回資料をもってきたのですが、それによるとロシア政府は千島列島のシムシル島に新しい廃棄物処理工場を建てる計画をしています。こんな危険な施設が近くに建てられようとしているのですから、日本の皆さんにとってもご心配なことではないでしょうか。

ですから、放射性廃棄物を出している国からいらしている方に、私たちへのご支援と合わせて政府に、自国の放射性廃棄物をほかの国の領土に運び込まないよう圧力をかけていただきたいのです。

私たちも広島、長崎の被爆者と同じように、子供たちにきれいな自然環境と核兵器のない未来を残すためにたたかっています。

私たちの星、地球は大きいと同時にとても小さいのです。みんなの力を合わせて、地球上のどこにも二度と核の悲劇が起こらないようにしなければいけません。

ご清聴ありがとうございました。