原水爆禁止2001年世界大会
国際会議

インド共産党(マルクス主義)中央委員
M.A.ベイビー


  原水爆禁止世界大会に参加できることを本当に誇りに思います。いうまでもなく、ここが最高の熱情と深い悔恨の思いをもとに、核兵器のない世界を求める要求を宣言できる会議だからです。日本国民は、原爆によって、人類史上初めて最も恐ろしい大量殺りくの経験にさらされました。日本国民をそれらの凶器の実験台にするということを正当化できるはずがないにもかかわらず、アメリカはこの残虐行為を犯しました。第二次世界大戦は、その頃までには実質的には終っていたのです。このことは、戦争中なら原爆の投下は許されるということを意味するものではありません。
  私たちが今日、あの非人間的な残虐行為の犠牲者に敬意を示し、平和を求めるたたかいを進めていくことを誓うためにここに集っている時でさえ、世界は、全米ミサイル防衛を装うアメリカのスターウォーズ計画の復活という不愉快な状況に汚されつつあります。この邪悪な計画に世界中の非難が集っているにもかかわらず、アメリカは宇宙を武装化することによって世界の軍隊の先頭に立というとしています。
  したがって、核保有国に核兵器廃絶の約束の実行を求めることは、最も時宜にかなっていて適切なものです。国際的な協力と連帯を通してこそ、世界の将来が保証されるのです。
  インドの代表として私は、ゴーダマ・ブッダが平和のためになした輝かしい業績を思い起こさずにはいられません。彼は「私は、神の神秘性については何も知らない。しかし、人間の窮乏については多少知っている」と明言しました。醜い豊かさのただ中で、幾百万人という人々が貧困によって飢えています。そして世界は狂気じみた軍拡競争へと駆り立てられ、社会から取り残された貧しい人々の援助に向けられるべき資源を使い果たしています。このブッダの言葉は、戦争挑発者の居心地のよいオフィスに鳴り響くべきです。ブッダの記憶は、私たち両国国民、また平和と進歩という高尚な理想を心に抱くすべての人々の意識のなかに絶えずよみがえっています。私たちは、ブッダの名を掲げながら核武装化計画の「成功」を堂々と公表する人々のことを恥じるべきです。
  このような状況において、私は、インドにおける嘆かわしい発展を思い起します。ブッダとマハトマ・ガンジーが生れた国の支配階級は、核武装化計画を進めています。国境の向こう側にある勢力たちは、同様の反応で報復しました。このこと自体が、軍事的優位性の見地から見た核実験の無益さを浮き彫りにしています。私たちの亜大陸は、不経済で、不必要で、社会を衰弱させるような軍拡競争へと駆り立てられていて、国の開発・福祉活動は悪化の方向をたどっています。インドでは、最小限の核軍備計画だけでも、今後10年間に3千万ルピーもの費用がかかると見積もられています。私たちは、相互抑止力は実際には相互確証破壊(MAD)であるということを強調すべきです。
  労働者、農民、学者、学生、若者、女性、戦争被害者、芸術家、作家、スポーツ選手など、すべての階級の人々と、彼らが属する団体が前面に出て、軍事的な解決法は非人間的で非倫理的な手段であり、人類が追求すべきものではないと、断固とした言葉で要求するとき機会です。天然、科学、技術、知的資源が、貧困、無教育、失業、女性への不平等や差別、健康不調、幼児死亡、栄養失調、文化的退廃、生態破壊など、人類が直面している様々な問題への対応とその解決のために活用されるべきです。新らしい千年紀に入ったいま、私たちは、感情に左右されず、様々な分野での短所や誤りを見極めることができるはずです。そうすれば、私たちは勇敢で調整的な方法で、人類を戦争、窮乏、搾取、抑圧から解放することができるでしょう。世界を支配する者、あるいは命令する者の存在しない、すばらしい新世界の創造に向けともに奮闘しましょう。


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