原水爆禁止2001年世界大会
国際会議

バーリントン核軍縮協会議長(カナダ)
ダグ・ブラウン


  親愛な友人のみなさん。2001年世界大会への招待と、発言の機会を与えてくださったことに感謝申し上げます。

  私はダグ・ブラウンです。オンタリオ州のトロントから40キロ西にある人口13万の小さな都市バーリントンから来ました。私はバーリントン核軍縮連合(BAND)の代表として参加しています。私たちの組織は核兵器の危険に関する啓蒙運動をすすめ、平和と軍縮を促進するために、1983年に設立されました。

  BANDは小都市の小さな組織ですが、メンバーは地域社会のなかで住民の自覚を高めることの重要性を確信しております。私たちは「地球規模で考え、地域から行動しよう」をモットーとしています。地域での活動は教育的な内容がほとんどです。ジョゼフ・ロートブラット、ロブ・グリーン、ロザリー・バーテルといった著名な平和論者を招いた公開討論会などを組織してきました。また、投書委員会を通じて、平和と軍縮に関してカナダ政府にへのロビー活動もおこなっています。

  BANDは200の全国および地方の平和組織からなるカナダ平和同盟の一員です。また、「モルデカイ・バヌヌの解放をもとめるカナダ運動」やラブラドール地域のイヌイットの土地であるニタシナンでNATO軍がおこなっている低空爆撃訓練の阻止運動も支援しています。また、戦争と軍国主義に反対し、イラクやユーゴスラビアに対する戦争について公開討論や抗議行動を組織してきました。

  BANDは、世界法廷プロジェク、核廃絶2000、新アジェンダ連合、中堅国構想など、核兵器廃絶のための国際運動を推進する、平和と社会正義を求める組織と共同しています。この半年間、私たちは、アメリカの核ミサイル防衛計画に反対するよう、カナダ政府にはたらきかけてきました。

  BANDは「国際平和文化の10ヵ年」を推進しています。平和の文化は、私たちが主催する子どもの美術展を通じてカナダの学校で推進されています。

  BAND は、バーリントンで追悼行事を組織したり、トロントやハミルトンなど近隣地域での追悼行事を支援することで、広島・長崎の原爆の日を迎えてきました。

  カナダは自らを平和な国であると考えていますが、NATOが、核兵器使用の選択肢を放棄しない政策をとっていることについては、NATOの一員として責任があることを認識しなければなりません。核兵器にかんするカナダ政府の立場は「核不拡散体制の維持」に焦点が置かれています。残念ながら、核不拡散体制というのは、5つの核大国が核兵器を永久に独占維持する政策となってしまいました。カナダはNATOと同盟し続けることによって核兵器を全面的になくす措置に反対の立場をとっています。

  広島と長崎市民への原爆投下は、20世紀最大の悲劇のひとつです。1945年に二つの都市の上にもたらされた死と壮絶な苦しみを思うと、深い悲しみにつつまれます。しかし同時に、核兵器廃絶のために努力しなければいけないとの決意も固くなります。二度と核兵器が使われるようなことがあってはなりません。

  核兵器廃絶にむけ努力を続け、平和と核軍縮という私たち共通の目標を議論するため世界各地から参加した活動家をまじえたこの重要な大会を毎年組織してこられたことにたいし、私は原水爆禁止2001年世界大会準備委員会に敬意を表したいと思います。

  核兵器廃絶運動にリーダーシップを発揮し続けておられるみなさんに、感謝いたします。


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