WWW search Gensuikyo search
 

 

 

反核平和運動・原水爆禁止世界大会

原水爆禁止2000年世界大会
国際会議

アメリカ
ローレンス・リバモア研究所もと研究員
アンドレアス・トゥパダキス

核時代における、私たち個人の責任

 地球上の親愛なる友人のみなさん、
 
 私は、ギリシャの美しいクレタ島で生まれ、非常に幼い頃から、第2次世界大戦中日本において人類に対する恐ろしいことがおこなわれたことを聞きました。今日、この場でみなさんの歴史を肌で感じることができ光栄に思います。

 数ヶ月前、多くの人が新しい世紀の幕開けを祝っている時、私は、人生で最大の苦痛を経験しました。どうすれば良いのか? 私には、保険のないパート労働の妻と、10代の娘2人がいました。何をすべきか? 私は、最も気高い要請、自分の良心に従いました。今年、2000年1月31日、私は、カルフォルニア州にあるローレンス・リバモア国立研究所の核兵器貯蔵管理計画で働いていましたが、その高給取りの正規職員を辞職しました。私は、核兵器の長期的な維持管理にたずさわっていたのです。私の行動は、全人類、あらゆる生命に対する愛情表現でした。過去の偉大な思想家達は、人生の意味について語っています。ソクラテスは「吟味されていない人生は生きるに値しない」、物理学者アインシュタインは「他人のために生きる人生のみが、価値ある人生である」と言いました。

 私の辞職は大きな反響を呼びました。米国でもギリシャでも、多数の新聞記事で報道されました。数々のラジオでインタビューを受け、世界各地から講演の招待を受けました。多くの国の、会ったこともない人たちから、私の行動を支持し感謝する手紙を受け取りました。私は、この反響は、一握りの人間による恐ろしい計画にもかかわらず、人類の魂が平和を求めている証であると信じています。平和を手にするために戦争に備えるという幻想は、人類の意思ではありません。創造主ではなく爆弾を信頼することは、人間の意図するものではありません。平和のために平和を作るというのが、人間の願いです。

 問題を描写するだけでなく、その解決策や行動を検討しましょう。活動家達は現在、私達が作り上げた地獄を説明するのに非常に多くのお金を費やしていますが、その解決について語る者は少なく、示された解決策に取り組む者はごく少数です。私達がお互いを気遣い、制度や体制への思い入れをやめない限り、平和に向けた現実の変化を目のあたりにすることはないでしょう。体制ではなく、お互いに手を差し伸べましょう。私たちは、あまりに長い間、戦争のために犠牲を払ってきました。これからは、平和のための代償を進んで払いましょう。

 人類の学問史上初めて、私たちは、平和を促進する教育プログラムを意識的に確立しなければなりません。私たちは、暴力の文化を平和の文化に置き換えなければなりません。私達一人ひとりは、アインシュタインをはじめとする人たちが予見した世界全体の破局を阻止するために行動しなければなりません。政府は、私たちのために、この任務を果たしてはくれません。世界中の人々は平和に生きることを望んでいます。人々は、これ以上政府に欺かれ操られて平和への道として戦争や荒廃を受け入れることを望んではいません。私たちは、先住民、地域社会、NGO、科学者の声を結集しなければなりません。いまこそ、地球と地球の生命におよぼした害の責任をとらなければなりません。

 私は辞職してから、科学者、工学者、医師、ジャーナリスト、先住民、その他の人びとから成るグループを結成し、全米各地をバスで回って学生たちに平和、核兵器廃絶、健康、環境問題について語ることを構想してきました。私はこれを「移動教室プロジェクト」と呼んでおり、多くの活動家から熱い支持を得ています。賛同者の中には、「社会的責任のための医師の会(IPPNW)」の設立者ヘレン・カルディコット博士も含まれています。これは、各国の同様のグループにとって手本となるでしょう。

 世界では、大量破壊兵器についての事実は、引き続き一般市民には知らされないままです。国民には、この人類の棘(悩みの種)の真実を知る権利があります。将来の世代のために生命を守ることを望むならば、すでに耐えがたくなっているこの重荷を背負いつづけるのかどうかを決める権利を国民は持っています。各国の国民には、知る権利があります。

 核兵器の存在がもたらす大きな危険性とあわせて、私たちは、原子力の使用による危険性と明かされていない健康への影響も認識しなければなりません。大きく、究極的な錯覚は、人類は自然の作用の代用品を提供できるというものです。私たちは、自分たちを欺いてはなりません。道はひとつしかないのです。人類は、自然と協力しなければならないことを認識せねばならないのです。早く目を覚まして、簡素な生活を始めなければ、私たちの自然環境は、核爆弾がそれを先に破壊しないとしても、猛烈な異常気象によって破壊されてしまうでしょう。

 日本の国民は、原子爆弾の影響に苦しんできました。私は、みなさんの義務は私の義務であると感じています。私は、心、精神、身体ともどもみなさんといっしょに、世界各地を鳥のように飛びまわり、私たちがもっている選択肢を知らせて歩きます。私は、問題の根源への注目を喚起するまでは、私のメッセージを締めくくりません。自分たち自身を欺いてはなりません。利益を求める組織に投資する限り、核兵器は決してなくなりません。したがって、選択は明らかです。世界の人々が、彼らの発明した巧妙なメカニズムで互いを搾取することを選ぶならば、恐ろしい日が現実となります。権力者らが暴力で自分たちのやり方を押し通しているため、私たちの社会は混沌としています。私たちの責務は、この種の権力を作り出す者の正体を理解することです。

 私は、生まれた国のギリシャと移住先の米国で、反核の英雄と呼ばれています。これは、私には苦痛です。私は、大小を問わずあらゆる市町村の住民ひとり一人が、1945年から今日にいたる、みなさんが味わってきた惨禍のあらゆる詳細を目にし耳にするまで、この苦痛から解放されないでしょう。各地に真実を伝えて歩くのが私の夢です。ぜひ協力してください。この途方もなく大きな務めは、おそらく、世論の喚起に向けた活動全体の中で最も困難なものでしょう。この任務を果たすには、みなさんの支援が必要です。


反核平和運動・原水爆禁止世界大会

table

このページの最初へもどる あるいは GensuikyoのTop Pageへもどる

Copyright (C) 1996-2011 Gensuikyo. All Rights Reserved.
日本原水協 〒113-8464 東京都文京区湯島2-4-4 平和と労働センター6階
Tel:03-5842-6031 Fax:03-5842-6033 
お問い合わせフォーム