原水爆禁止2000年世界大会
国際会議

アメリカ合衆国
原爆復員兵士連盟
理事長
アンソニー・ガリスコ
 

 親愛な友人のみなさん、アンソニー・ガリスコと申します。原爆復員兵士連盟の理事長を務めています。ここで今一度、最大限の支援を引き続き必要としているきわめて特別な立場にある日本の人々の集団に、みなさんの注意を向けてくださるようお願いします。

 アメリカの原爆復員兵士連盟は、米軍による最初の核兵器の実験動物として苦しめられ殺された人々、すなわち、広島と長崎の被爆者に敬意を表します。

 私たち原爆復員兵士は、広島と長崎の被爆者とともに運動してきました。アメリカのネバダ核実験に反対し、被爆の実相と、米国防総省および米軍による1945年の原爆投下が不必要だったという事実を広く伝えていきます。

 55年たったでも被爆者は、日本政府が正しい対応をして被爆者問題を終結させることを待っていると知ると、まともな考えの人々は衝撃を受けます。政府が補償問題について現在の腹立たしい態度を改めたとき初めて、すべてのヒバクシャにとって、ヒバクシャ問題が終結することになります。

 本来ならもっと早い時期に、被害者に課されてきた証明責任は、しかるべきところ、すなわち日本政府に移されるべきでした。

 17年間にわたり被爆者への支援を続けてきた私たちから見ると、被爆者補償に関して日本政府はなんの措置をとるつもりもないようです。米国政府と日本政府が被爆者や日本の人々のために対応していないことは、残念ながら動かしようのない事実です。政府が法制化を拒み、日本の被爆者に包括的な補償措置を受ける機会を与えないのは、間違っています。

 何年もの間、私たちは、日本政府と米国政府が共同で日本の被爆者に対する包括的な補償措置を制定することを求めてきました。

 日本や米国政府が自分たちの都合だけで、困難な状況にある国民の要求に背を向けるとしたら、それは間違いです。被爆者と原爆復員兵士は、何年もの間、補償を拒まれてきました。これは間違ったことです。被爆者が55年間、死と苦しみとともに生きてきたことを十分に認識しながら、政府が援助措置をとろうとしないとしたら、私たちは自らに問い直す必要があります。政府は、ただ待ってさえいればもうかるという立場をとっているのかもしれないと。被爆者も原爆復員兵士もやがて死に絶え、ごくひとにぎりの政治家によって歴史に汚点が残されるでしょう。しかし、はやまってはなりません。日本の被爆者と米国の原爆復員兵士は、それぞれの責務を果たします。戦争を好む国防総省の堕落した白人の人種主義者たちが、広島と長崎に住む罪のない男性、女性、子どもたちの頭上で新型の爆弾を試すために日夜準備に励んでいたという1945年の真実の歴史は、世界中が認めています。

 国防総省がその卑劣な行為の言い訳としているのは、日本人が白人ではなかったということです。国防総省は、自分達は日本人の民主化というよい仕事もしたと主張します。原爆によってソ連を太平洋の戦場に立ち入らせずに済んだとも言います。そして、これによって米国が最強の軍事国家になるということ、あらゆる点でこの地上のすべてのものに対する最悪の脅威になるということを言い訳に使っているのです。


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