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反核平和運動・原水協の声明と決議

談話:第8回NPT再検討会議の閉会にあたって

2010年5月29日

原水爆禁止日本協議会事務局長
高草木博

1、2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議が28日、4週間の審議を終え、閉幕した。今回の会議は、前回05年の再検討会議の決裂をはさみ、03年の米英によるイラク攻撃、北朝鮮の2度にわたる核実験、イランの核開発問題など、核に関わる一連の問題を経ての会議として核兵器廃絶を達成する具体的プロセスで合意し、足を踏み出すことが強く求められていた。

2、合意された最終文書では、「核兵器のない世界の平和と安全」を追求することや、核兵器国による核兵器廃絶の「明確な約束」などがあらためて確認され、懸案であった中東非核地帯化の2012年会議召集など一部、新たな進展もうみだされた。
また、最終文書に、核兵器廃絶が「合意された法的枠組みの中で追求されるべき」であり、「多数の締約国が、そこには具体的な期限も含むべき」と主張したことが明記されたように、会議では、世界の反核平和運動の要求や国際世論の高まりを背景に、核兵器全面禁止を求め、そのための交渉開始を主張する流れが、大勢を占めた。

3、今回の会議では、「核兵器のない世界」を目標として宣言したアメリカなど、核保有国のリーダーシップが強く期待された。だが、米、英、ロ、仏の4カ国は、とりわけ最後の局面で核兵器の禁止につながる法的枠組みやそれを促進する国際協議などの具体的方途、日程などにことごとく反対し、会議での一致を妨げた。また、これら4カ国は、自国の核兵器の開発や改良の停止を求める項目にさえ反対した。これらの態度は、他の国に「不拡散」を求める資格さえ問うものであり、この核の特権意識、核抑止力論の信奉こそが核兵器廃絶の障害であることをあらためて示すことになった。

4、日本政府は今回の会議でも、唯一の被爆国政府としての具体的なイニシアチブを発揮することができず、核兵器国に具体的行動を受け入れさせる上でもなんらの役割も果たさなかった。我々は会議に先立って、政府が核兵器禁止の協議開始などイニシアチブを発揮し、あわせて非核の立場の証としても「核の傘」から脱却するよう求めた。今回の経過は、結局、アメリカの「核抑止」への依存が、核兵器廃絶をめぐる日本の外交をどれほど無力なものにしているかあらためて示すことになった。

5、今回の再検討会議にむけて日本原水協は、内外の諸団体とともに核兵器禁止・廃絶条約の交渉開始を求める署名に取り組み、「核兵器のない世界のための国際行動デー・ニューヨーク行動」を提唱するなど、世論喚起と共同行動の発展に力を尽くした。再検討会議に提出した署名は、1522名の知事、市長、副市長、地方議会議長、副議長を含め、691万2802筆に達した。「核兵器が廃絶されるとき世界はあなた方に感謝する」との潘基文国連事務総長の言葉に見られるように、これらの行動は核兵器の廃絶をめざす多くの政府とNGOとを励ました。
我々は、今回の再検討会議をめぐって広がった世界的な核兵器廃絶の努力を確信とし、核兵器全面禁止のための取り組みをさらに大きく発展させていくものである。/・・・

 

 

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