国内外で核兵器廃絶に向かう新たな機運が高まるもとで、2009年国民平和大行進の人たちが行く先々で呼びかけた「核兵器のない世界を」国際署名に道内の市町村長や議長らが「核兵器をなくすために頑張ってほしい」と続々賛同し反響を呼んでいます。
通し行進者らの自治体訪問は今回、道内149市町村です。
道原水協によれば、署名に応じたのは道内180市町村のうち62%に当たる13市、86町、13村の首長112人です。副市町村長15人、議会議長61人、副議長5人、教育長51人も「核兵器をなくせ」とペンを取りました。さらに、総務部長や教育部長、議会事務局長ら35人、農協組合長6人、商工会代表や連合加盟の職員労働組合でも賛同署名が広がりました。
5月6日に礼文島を出発した行進は同30日に函館市に到着しました。中間点の札幌市で開かれた5月17日の道原水協総会では、通し行進者とともに自治体を訪問した参加者から「長年、この運動をしてきましたが、首長の対応が例年とはまったく違っていました」「『あなた方とは考えが違う』といって、昨年まで署名を拒んでいた町長が署名をしました。オバマ米大統領の演説と日本共産党の志位和夫委員長の書簡で核兵器廃絶の大きなうねりが広がっていると感じました」との発言が相次ぎました。
通し行進者の小川基弘さん(57)は「多くの自治体で『あなたが来るのを待っていました』と歓迎してくれました。私は、まるで旧友と再会したような気持ちになりました。『長崎原爆資料館を見学し、涙が出ました』と署名した議長もいます』と話しました。
余市町の上野盛町長は「北朝鮮問題で議論が起きていますが、国際社会は核兵器のない世界に変わっていきます。日本が核兵器廃絶のイニシアチブを取るべきだという志位委員長の提案はその通りです」と語りました。
「日本国民が毎年、実施している草の根の運動が核兵器のない世界を実現する一歩一歩になってきました」と話すのは、道原水協の岩淵尚事務局長です。
「どの訪問先でも、オバマ演説を歓迎するとともに、核兵器廃絶を訴え続けてきた国民平和大行進への期待が語られました。原水爆禁止世界大会の成功、来年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議への世論と運動を盛り上げていくうえで貴重な成果です」。