2009年原水爆禁止国民平和大行進・北海道~東京コースが5月6日、最北の島礼文から始まりました。午前8時から青い空のもと利尻富士をのぞみながら礼文町役場前で出発式が行われました。
地元実行委員会から八木博宗谷教組書記長が主催者あいさつをしました。小松民子全労連副議長が、原水爆禁止国民平和大行進中央実行委員会を代表して、8月の世界大会・来年のNPT再検討会議に向けてこの平和行進を大きく成功させましょうと訴えました。幹線通し行進者の五十嵐成臣さん(65歳)と北海道内網の目行進者の小川基弘さん(57歳)が決意を語りました。出発式には、被爆60年の記念植樹に尽力いただいた堀内進町議(無所属)もかけつけ一緒に行進しました。
リュックを背負い、カメラを手にした男性(51歳/派遣労働者)が「何してるんですか?」と聞いてきたので、平和行進のリーフを手渡し、「核兵器をなくすために訴えて広島・長崎めざして歩く出発式です」と話すと、驚きながらも、「オバマさんも核兵器をなくすと言っていたので、今がチャンスですね」と話しました。集会終了後、海岸を行進している写真を何枚も撮り、「頑張ってください」と手を振って行進団を激励してくれました。
行進参加者の声
礼文町の出発式を司会した越智啓介さん(30)=宗谷教組礼文支部書記長は「生徒も自分も原爆の怖さや危険性を体験していないだけに、世代を経ると、核兵器をなくすことの大事さが薄れがちです。風化させないよう、学び再確認する、こういう取り組みがとても大事です。そこを忘れずに頑張ります」。
「国土交通共闘の通し行進旗」を持って礼文島に駆けつけた全気象労組稚内分会の大橋勇治さん(48)は「第2次世界大戦のときも、戦争に直面すると気象情報は国民には流れなくなりました。気象の仕事は平和に直結しています。全気象は全国各地に組織があり、平和の問題、原水爆禁止の取り組みには、とりわけ力を入れています。私はそのリレーの『第1走者』です」。
旭川市から礼文島に来た全労働道支部執行委員の松田秀法さん(27)は「出発式は小規模でしたが、オバマ米大統領の発言もあり、非常にいいタイミングだと思います。今が核兵器廃絶の絶好のチャンスですね」。
礼文町の小学校教師、石川寿美子さん(50)「戦争が終わって60数年たち、平和や核のことを考える機会が少なくなってきています。こういう取り組みはすごく大事です、こんな活動を広げていきたいですね」。
平和行進稚内集会は、6日午前11時20分から稚内総合センターで行いました。和田浩実行委員長が「核兵器をなくすため、気持ちをひとつにして一緒に歩きましょう」と開会挨拶をしました。
全国通し行進者の五十嵐成臣さんは「高校1年から毎年平和行進に参加して50回目となります。退職して念願の通し行進者となりました。皆さんと歩けることを大変嬉しく思っています」と決意を語りました。
道内通し行進者の小川基弘さんは「4月にオホーツクの自治体を訪問したところ、快く協力してくれました。核兵器廃絶を訴えて、元気に行進します」と語りました。
小松民子全労連副議長はオバマ大統領の核兵器のない世界をとのプラハ発言にふれながら、「一人ひとりが、明るく、楽しく、訴えてください」と話しました。
原水爆禁止北海道協議会の嶋田千津子さんが、アメリカフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・ガーソン氏の国民平和大行進への連帯メッセージを紹介し、命がけで訴えている被爆者に心寄せ、一緒に核兵器廃絶のために歩きましょうと訴えました。
閉会挨拶では、「6月の神社でのお祭では、世界大会長崎への派遣募金と署名を行います。予定を入れてぜひ家族連れで参加してください」と行動提起がありました。
集会には子ども連れや浜頓別から2時間40分かけて参加した女性など47人が参加しました。集会参加者から、「海外メッセージに感動した」などの声が寄せられました。集会終了後は、春の日差しを浴びながら南稚内駅まで元気に行進しました。
行進では、国民平和大行進のカラフルな横断幕や新日本婦人の会のタペストリー、「教え子を再び戦場に送るな」と白く染め抜いた宗谷教組の組合旗などをはためかせました。
宣伝カーから「核兵器のない平和で公正な日本・世界をめざし一緒に歩きましょう」と呼びかけると、手を振ってあいさつする市民もいました。
集会参加者の声
新聞を見て浜頓別町からバスで2時間40分かけ稚内に来た宮崎美智子さん(66)「孫たちに核兵器のない平和な社会を残したいんですよ」。
小学1年生の男の子を連れ、稚内行進に参加した公務員の女性(38)「国々がすぐ武器とか核兵器をちらつかせるのは、市民レベルの感覚とまったく違います。核兵器をたくさん持っている国は、本当に役立つと思っているのでしょうか。世の中をよくするどころか、逆です。早くなくしてほしい」。
年金者組合稚内支部長の谷藤芳弘さん(62)「オバマ米大統領発言は、われわれにとって大きなチャンスです。今日は街でお祭りがありますが、それを上回る元気を発揮して市民に訴えたい」。