平和行進に寄せられた海外(アメリカ、ドイツ)からのメッセージを紹介します。
アメリカフレンズ奉仕委員会・ジョゼフ・ガーソン
2009年4月30日
平和行進参加者のみなさん、
平和行進に私もみなさんと一緒に参加できればと思います。核兵器廃絶をめざすみなさんの献身的な活動は人類の宝です。みなさんは、これから生まれる世代の人々も含めすべての人類のために歩いているのです。どうもありがとうございます。
原水協は緊急の課題として核兵器廃絶を達成しようと取り組んでいます。2010年NPT再検討会議が近づく今、このことは特に重要な意味を持ちます。オバマ大統領が、アメリカは核兵器廃絶、包括的核実験禁止条約の批准、核分裂物質生産禁止条約の交渉を約束すると確認したことには拍手を送ります。しかし彼はまた、核兵器廃絶は「長い道のり」であると言い、まだ若いにもかかわらず、「核兵器の完全廃絶は自分が生きているうちには達成できないかもしれない」とも言いました。
これは受け入れられません。力を合わせて、核兵器廃絶を緊急に、被爆者が生きているうちに達成せよと要求せねばなりません。被爆者のみなさんは、核のテロリズムに苦しみ、これを耐え抜きながら、「決して三たび原爆が使われないように」その生涯をささげて来られました。
世界の論調が核兵器廃絶へと流れる中で、私たちはミハイル・ゴルバチョフ氏の最近の警告を理解する必要があります。アメリカが「全領域支配」政策をやめない限り、核兵器廃絶を達成することはできません。アメリカが宇宙の軍事化を独占し、先制攻撃サイバー能力と多くのハイテク兵器を開発しようとするあいだは、他の核保有国が自国の核兵器を完全に廃絶することはないでしょう。他の点でもそうですが、この意味でも、日米軍事同盟は世界平和と核兵器廃絶にとって脅威となっています。
みなさんが平和行進の出発点を第五福竜丸前と決められたことにはさらに重要な意味があります。ビキニ水爆実験は日本の反核平和運動が生まれるきっかけとなりました。しかしニューヨークタイムズに最近掲載された記事が示したように、マーシャル諸島などで行われた犯罪的な核実験の教訓は、まだ十分理解されていません。
核兵器廃絶を真に達成するためには、日本の市民と日本政府による強力な努力と行動が不可欠です。ですから私は、みなさんが強い精神をもって、平和行進の途上で実りある重要な会合や対話を重ね、多くの友人をつくりながら歩いて行かれるよう、心から祈っています。
みなさんと広島で、そして来年はNPT再検討会議のあるニューヨークでお会いできることを楽しみにしています。
核兵器廃絶と平和、正義のために歩み続けましょう。
アメリカフレンズ奉仕委員会 ジョゼフ・ガーソン
ドイツ・ライン=ルール地方イースター行進平和委員会 ハネロア・トルケ
親愛な友人のみなさん、
ライン=ルール地方イースター行進平和委員会は、5月6日に東京を出発するみなさんの平和行進に、心からのごあいさつを送ります。私たちの連帯の気持ちと祈りは、東京から広島・長崎へのみなさんの行進とともにあります。
いまもなお27000発の核弾頭が世界中で人類を脅かしています。バラク・オバマ米大統領が就任してから、米ロ間の核軍縮の可能性は高まっています。2009年4月オバマ大統領がプラハで行った演説は平和運動全体から歓迎されました。しかしこの演説のあとには核軍縮に向けた具体的な措置が取られなければなりません。
ドイツには今でも約20発のアメリカの核弾頭が置かれており、その総爆発力は広島型原爆の1000倍にのぼります。ドイツの平和運動は2010年までにこれらの核兵器を撤去するよう要求しています。ドイツ政府はこの核参加政策から手を切り、ドイツにアメリカの核兵器配備を許している条約を廃棄せねばなりません。 そのためにわたしたちは、「核兵器から解放された私たちの未来」というキャンペーンを開始しました。
隣国のベルギーとオランダにも核兵器が配備されています。今年初めに、私たちはベルギーとオランダの平和運動と協力していくことを確認しました。力を合わせて私たちは、核兵器のない世界の中で核兵器のないヨーロッパを目指します。東京から広島・長崎へと向かうみなさんの平和行進と、広島・長崎で開かれる原水爆禁止世界大会も、この平和のたたかいの中で重要な役割を果たしています。
私たちの連帯と熱烈なあいさつをお受け取りください。平和行進と、8月に広島・長崎で開催される原水爆禁止世界大会の成功を心から祈ります。
ライン=ルール地方イースター行進平和委員会を代表して
ハネロア・トルケ