5月6日夢の島出発集会で主催者挨拶をした野口邦和さん(世界大会運営委員会代表)の挨拶(全文)を紹介します。
2008年原水爆禁止国民平和大行進に参集したみなさん。
ただいまご紹介いただきました原水爆禁止世界大会運営委員会代表の野口邦和です。
1958年に開始された国民平和大行進は今年で50周年を迎えます。この半世紀のあいだ、雨にも負けず、風にも負けず、厳しい夏の暑さにも負けず、北海道では雪の寒さにも負けず、核兵器廃絶を訴えて歩き続け、受け継がれてきました。国民平和大行進は、核兵器廃絶を願う人なら誰でも、そしてどこからでも参加できる行動として発展してきました。国民平和大行進は、今日ではすべての都道府県と7割を超える自治体を通過する、10万人を超える人びとが参加する国民的な大行動となっています。
みなさん
核兵器廃絶は今日では世界の声であり、国連総会では毎年8割を超える国ぐにが核兵器廃絶の合意の実行を求める決議に賛成しています。ニクソン政権とフォード政権で安全保障担当大統領補佐官、国務長官を務めたヘンリー・キッシンジャーさんやレーガン政権で国務長官を務めたジョージ・シュルツさんなどアメリカの元政府高官や、イギリスの現職の外務大臣であったマーガレット・ベケットさんも「核兵器のない世界」について発言しています。
しかし、世界にはいまなお2万7000発もの核兵器が貯蔵・配備され、人類の生存を脅かしています。
国民平和大行進に参集したみなさん
2010年にニューヨークで開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議で実りある成果を勝ち取るため、第2回準備委員会が4月28日からジュネーブで開催されています。日本原水協、日本被団協をはじめ日本の代表団も「核兵器のない平和で公正な世界」を実現するため、奮闘している様子が伝えられています。日本の代表団ばかりでなく、世界各国の代表団が、核兵器廃絶を願って第2回準備委員会で奮闘しています。
2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け、「核兵器のない平和で公正な世界」を求めて、世界中でいま行動が拡がろうとしています。
既に日本国内では、日本原水協や非核の政府を求める会の代表を含む広範な人びとが「非核日本宣言」の運動を提唱しています。「非核日本宣言」の運動は、すでに360の首長、250を超える地方議会議長が賛同し、150を超える地方議会が意見書を採択しています。
みなさん
今年7月に開催されるG8洞爺湖サミットの討論テーマは、「環境・気候変動」、「開発・アフリカ」、「世界経済」、「不拡散をはじめとする政治問題」の4点です。これらの討論テーマはいずれも人類社会が直面している重要なテーマであることは疑うべくもありません。しかし、開催国であり唯一の被爆国である日本政府が、核兵器廃絶の課題を正面から提起することを避け、討論テーマを核兵器の不拡散にしぼるのでは情けないではありませんか。
国民平和大行進に参集したみなさん
国民平和同行進に寄せたメッセージの中で、映画監督の山田洋次さんは、「『核兵器を持ったり作ったりする愚かしいことを止めよう』こんなわかり易くて正しいことが、何故人類は実現できないのでしょうか」と言っています。また、翻訳家であり9条世界会議の日本実行委員会共同代表を務める池田香代子さんは、「私たちの意志は、63年間の『核モラトリアム』を実現させている。持っていても仕方のない核兵器の廃絶は、夢ではない」と言っています。
みなさん
私たちは核兵器の廃絶を実現することのできる、そういう時代に生きているのです。「核兵器はいらない」、「憲法9条を守れ」など、非核平和の日本を求める国民の願いに応える運動として、この国民平和大行進を最後まで歩き抜き、大きく成功させようではありませんか。
以上をもちまして、主催者あいさつとします。ありがとうございました。