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2012年3・1ビキニデー国際交流フォーラム
土田弥生(日本原水協事務局次長)
「署名の力で核兵器のない世界の扉を開こう」

2012年2月28日
2012年ビキニデー国際交流会議

土田弥生
日本原水協事務局次長

 昨年のビキニデーは、2月15日に開始された「核兵器全面禁止のアピール」署名を、潘基文国連事務総長をはじめ内外の多くの賛同を得て、意気高く全国的にスタートさせました。それから1年、私たちはがんばりました。署名運動がスタートしたとたんに、日本国民が打ちのめされるような東北大震災、津波、福島の原発事故が起こりました。核兵器廃絶どころじゃないという事態になったのです。しかし、そんな中でも、ガーソンさんが言うように、被災地・福島支援、脱原発にとりくみながら、核兵器廃絶署名を握って離さず活動しました。被災地や福島から平和行進に立ち上がり、自治体や全漁連など幅広い団体に署名の賛同を広げました。その結果、7か月余りの短期間の活動で、昨年の国連総会第一委員会には、全国の約43%にあたる766筆の首長の署名を含む102万9031筆の署名を提出することができました。これはすごい成果だと思います。

 この1年の活動で、日本原水協は新たな境地を開いたと思います。そした、私たちは、広島、長崎の被爆を体験し、さらに福島を体験した国の運動として、被爆者の体験と声を伝え、核兵器廃絶の緊急性、重要性をくり返し訴え、核兵器全面禁止廃絶の先頭に立たなければならいということを深く認識しました。これが、まず、私たちが果たすべき役割だと思います。

 今は、藩基文国連事務総長が言うように「核兵器をなくすのが可能」な時代だと思います。昨年10月に原水協は国連要請活動を行いましたが、私が目にしたのは、非同盟運動、新アジェンダ連合をはじめ、圧倒的多数の国が、核兵器廃絶の実現へ攻勢的に活動している姿でした。核兵器廃絶は禁止条約によるしかないとの理解も広がっていました。

 これら政府の勢いをつくり、核兵器のない世界への流れを逆流の余地なく決定的にしたのは、2010年NPT再検討会議の合意でした。再検討会議は、NPTの目標を核兵器のない世界に置き、その実現のための枠組み作りにすべての国が特別な努力をするよう義務づけました。一握りの核保有国の抵抗はありましたが、これをすべての国が受け入れたのです。受け入れたからには実行させなければなりません。私たちは、すべての国の政府に約束した「特別の努力」を開始し、核兵器全面禁止条約の交渉開始を迫らなければなりません。

 この点を焦点に、4月30日から2015年再検討会議に向けた新たなNPTサイクルが始まります。私たちは、このサイクルを、NPTの合意の実行を実現させ、核兵器廃絶を達成するプロセスにする決意です。そして、具体的に、日本原水協は、4月30日からオーストリアのウィーンで開かれるNPT準備会合の時に、ウィーンで原爆展を開く、それに呼応して47都道府県すべて全国で原爆展を開催し、地域ぐるみ、自治体ぐるみの署名を発展させることを打ち出しました。NPT準備会合を市民の声と行動で包囲しようという計画です。

 私は、このイニシアティブを世界にも発信しました。この計画は、現地ウィーンでもヨーロッパでも話題になり、NPT準備会合に向けた世界の行動を盛り上げています。日本原水協が加盟する国際平和ビューロー(IPB)はウィーンの原爆展を共催することを確認し、間もなくIPBとして準備会合に向けた世界の行動のよびかけを出す予定です。核兵器廃絶ICANキャンペーン-ヨーロッパや、50人の青年をウィーンに結集させるヨーロッパ核軍縮青年プロジェクトなども、「私たちも同じ気持ち。真に変化をつくりたい」と強力に支持してくれています。さらに、原水協の呼びかけに応え、インド各地でも原爆展を開き署名を集めるとの動きも出ています。

 このイニシアティブは、私たちが果たすべき二つ目の役割、日本政府に被爆国政府として核兵器禁止へ特別の役割を果たさせることへも、インパクトを持っています。長崎原水協は、原水協の方針を受けて、いち早く田上市長へ自治体ぐるみの署名や原爆展の要請を行いました。これについては討論の時に、長崎原水協の方から詳しい報告をしていただきたいと思いますが、そこで市長と一番一致したのは、今回のNPTサイクルを核兵器廃絶のプロセスにするという点でした。世界平和市長会議の2020ビジョンの達成からみても、2015年に決着をつけるくらいのテンポが必要だということでした。そして、市長から「全国で原爆展をやるのはすごいですね」「協力というより協同でやりましょう」と力強い言葉をもらったそうです。日本で平和市長会議に加盟している自治体数1101。この市長の言葉は、私たちが進める自治体ぐるみ署名の大きな発展の可能性を示しています。

 日本政府は口では核兵器のない世界をつくる先頭に立つと言いながら、これまでも北朝鮮など外からの脅威論を最大限に利用し、アメリカの「核の傘」戦略を美化してきました。さらに、今、アメリカがアジア太平洋支配の重視へ戦略をシフトし、日本政府が普天間基地問題、TPPなどアメリカの意のままに行動しようとしている時、この逆行する流れが圧倒しているように見える時があります。しかし、この日本の核抑止力へ依存する態度に、日本国民の中でも批判が広がっています。署名への自治体や国民の反応などからみてもこれは明らかです。実際、2010年NPT再検討会議に向けた国民の世論と運動に押され、日本政府もNPT合意の実行が重要であると主張し、禁止条約の交渉開始についても「いずれ必要になる」「検討する」と言っています。私たちの署名運動は、核兵器禁止の国民的合意をつくり、日本政府の約束を実行させるうえで、有力で効果的な手段です。

 私たちは、2010年NPT再検討会議に向けた運動を一回りも二回りも上回る運動を、NPTサイクルの始まる年から作り出さなくてはなりません。21世紀は人々が行動して、変化をつくる時代です。私たちがNPTに出した約700万の署名は、セルジオ・ドゥアルテ国連軍縮担当上級代表に、軍縮に民主主義革命をもたらすものだと評されました。みなさんもご存じのように、私たちの署名が高く評価され、世界市長会議の署名とともに、署名のツインタワーとなって国連総会場の入り口の所に居場所を得ました。

 今年最初の署名提出は、NPT準備会合です。出足早く署名の高揚をつくり、核兵器のない世界の扉を開きましょう。



 
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