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原水協(原水爆禁止日本協議会)
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ビキニデー

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2012年3・1ビキニデー日本原水協全国集会・全体集会/基調報告

 みなさん、こんにちは。事務局長の安井正和です。
 
 2012年3・1ビキニデー日本原水協集会への基調報告を行います。

 はじめに、集会にご参加の来賓、海外代表のみなさん、そして地元静岡と全国の代表のみなさんに、心から歓迎の意を表明します。冒頭の主催者あいさつで強調されたように、ことしの日本原水協全国集会は特別に重要な意義と任務をもって開かれています。

 いまから58年前、人々は第五福竜丸をはじめ日本のマグロ漁船の水爆実験の被害の報に接し、全国の草の根で行動に立ち上がりました。署名を集め、やがてそのうねりは国民全体へとひろがり、日本の政治を動かす歴史的な原水爆禁止運動へと進んでいきました。その教訓は、今日に受け継がれています。私たちが昨年2月に開始した「核兵器全面禁止のアピール」署名は、この一年間のとりくみを通じて内外で共同をひろげ、世界を動かす署名として、新たな展望を切り開いています。

 日本原水協は、昨年10月、今日ご参加のみなさんをはじめ、全国から寄せられた102万9031筆の署名を目録とし、776名の自治体首長署名の現物とともに、国連総会第1委員会に提出しました。第1委員会議長とともに署名を受け取られたセルジオ・ドゥアルテ軍縮問題担当上級代表は、第1委員会の冒頭に、平和市長会議や日本原水協が取り組むこれらの署名について、世界を席巻する民主主義革命の流れが軍縮分野にも訪れている証拠として高く評価し、国連総会が世界最大の民主機関として、これに応えるよう促しました。

 国連総会議場の入口近くには平和市長会議の署名とともに、2010年5月に日本原水協が提出した署名が収められた3メートルのツインタワーが設置され、議場に出入りする政府代表に市民社会の声を伝え続けています。

 国連・諸国政府との共同を通じて、国際政治を動かしうるという、この間のNPT再検討会議以来の流れは、今日、いっそう明確になっています。

 2010年5月、世界の189の国々が参加する核不拡散条約(NPT)再検討会議は、その目的として「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」ことを決めました。その実現のかかった次の再検討会議(2015年)に向けた準備会議が、4月30日からオーストリアの首都ウィーンで開催されます。

 この会議を、5年ごとのNPTサイクルの「いつものラウンド」に終わらせないようにすることが大切です。今回のサイクルを、核兵器をなくす最終のサイクルにする、2015年には決着をつけるという構えで行動することが大切です。核兵器廃絶は人類の生存にかかわる死活的で緊急な課題です。今、問われているのは、2010年に合意されたことを現実に移すこと、核兵器禁止条約の交渉開始に実際に踏み出すことにあります。

 私たち日本原水協は、世界でただひとつ広島、長崎の原爆被害を体験した国民の運動として、このことを国際社会にも、世界の反核平和運動にも、日本国民にも発信し、行動にする、本集会はその発信と行動の出発点です。私たちが切り開いてきた今日の情勢と運動の到達点を確信に、2012年を「核兵器のない世界」の扉をひらく年とするために、新たな行動に踏み出そうではありませんか。

 行動提起をおこないます。

 1つ目は、原爆展のとりくみを軸に地域ぐるみの署名に踏み出すことです。

 日本原水協は、「核兵器のない世界」の「達成」という合意を実行させるため、被爆国の運動として国際的な行動をよびかけ、そのメインの行動として4月30日の次回NPT再検討会議準備委員会の開会日に、オーストリアの首都ウィーンで広島、長崎の被爆写真展を開催します。

 2月の日本原水協全国理事会は、それに呼応して、すべての都道府県で原爆展を開催し、さらに全自治体の原爆展に発展させることを提起しました。取り組みの鍵は、この原爆展のとりくみを、すべての地域で、地域ぐるみ、住民ぐるみの署名に発展させることにあります。先日、長崎県の原水協の代表が田上富久市長と懇談し、新アピール署名への協力と原爆展開催を申し入れました。田上市長は、「平和市長会議も2020年の廃絶達成をめざしている。そのためには2015年に核兵器を禁止させなければなりません。今がチャンス。協力というより共同しましょう」と述べ、市民ぐるみの運動への可能性が大きく広がりました。

 日本被団協製作の新しい原爆展パネルも完成しました。この会場ロビーにも展示しています。日本原水協は、すべての都道府県原水協に新パネル1セットを無料で送りました。すでに自治体への「被爆写真展」開催の申し入れなどの努力も始まっています。4日前、佐賀県で平和コンサートが開かれました。県原水協が早速この会場ロビーに新パネルを展示し、参加者に署名をよびかけたところ、待ち時間のわずか30分の間に、参加者の3人に1人、120筆の署名が寄せられました。

 新アピール署名は垣根がありません。対話ができる、連帯ができる、協力ができます。この署名で地域を変え、日本を変え、世界を変える。これまでの役割をさらに上回る高揚をみんなで作り、21世紀の新たな歴史をつくりましょう。
 
 2つ目は、日本政府が核兵器禁止条約の交渉を支持するなど、被爆国にふさわしい役割を果たさせることです。

 日本政府は、毎年国連総会に提案している決議のタイトルを「核兵器全面廃絶の新たな決意」から「核兵器全面廃絶の共同行動」に変えました。しかし、内容的には、相変わらず「核兵器全面禁止」の必要にふれず、昨年の決議では国際的にも厳しく批判され続けてきた「究極的廃絶」論を復活させました。
 マレーシアなどの真に核兵器の廃絶につながる決議にはこれまで同様、アメリカに受け入れられるアプローチでないと棄権し、水を差す態度さえ取り続けました。

 この背景には、アメリカの「核抑止力」に依存する対米追随の姿勢があります。しかし、日本の平和と安全を軍事的な「抑止力」で守ろうとする政策は、対立と軍拡の悪循環を招くものであり、まして被爆国で、今また放射線の被害に国民が苦しんでいるときに、核兵器で身を守るなどという考えは到底受け入れることはできません。

 いま米オバマ政権は、21世紀をアジア・太平洋の世紀と位置づけ、この地域の軍事・経済支配を強めようとしています。野田政権のもとで、国民の年金、社会保障が削られ、消費税の大増税も検討されている中、日本に駐留する米軍には、私たちの税金が「思いやり予算」として、湯水のように使われています。

 日本政府に被爆国にふさわしい役割を果たさせ、「核の傘」から離脱させ、核兵器の持ち込みを許している核密約を破棄させ、「非核三原則」を厳密に実行させるためにも、「核兵器全面禁止」の国民的合意は共通の基礎となります。
 
 自治体ぐるみ、地域ぐるみで、圧倒的な国民世論をおこし、政府に迫ろうではありませんか。
 
 3つ目は、核兵器のない平和で公正な世界を掲げる運動として、核被害の克服、原発ゼロの運動をはじめ、平和、基地、格差、環境など、国民的な共同と連帯を発展させることです。

 福島第1原発事故をめぐっては、野田首相の「収束」宣言とは裏腹に、いまも多くの人たちが放射線の被害に不安を感じ、東電と政府に不信をつのらせています。3月11日を前後して、福島での2万人集会をはじめ、47都道府県のすべてで原発ゼロをめざす行動がとりくまれます。各地の集会で新「原爆と人間」パネルの展示などが企画されています。

 広島・長崎の被爆の実相と核兵器の非人道性、放射線被害の実態を広範な人たちにひろげ、連帯の輪を力に、核兵器禁止の世論と運動を大きく発展させる機会にしましょう。

  基調報告の最後に、すべての自治体での原爆展と住民ぐるみの署名、日常的な被爆者支援の運動、5月6日からはじまる国民平和大行進など、一つひとつの前進をバネにして、8月の原水爆禁止2012年世界大会へとつなぎ、核兵器のない世界への確かな扉をひらく年とするために、日本と世界の運動の先頭に立って奮闘しましょう。

 以上で基調報告を終わります。ごいっしょにがんばりましょう。


 
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