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ビキニデー

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2015年3・1ビキニデー日本原水協集会・国際交流会議
イ・ミヒョン「韓国の市民社会が提案する2015年平和行動」

2015年2月27日 静岡
参与連帯平和軍縮センター・韓国

 今年は人類初の原爆が日本に投下されてから70年になります。また、朝鮮が日本の植民地支配から独立し、朝鮮半島が分断されてから70周年でもあります。しかし、休戦協定のもとで、朝鮮半島ではいまだに戦争が続いており、人々は核戦争の可能性の脅威のもとで今も生きています。日本政府は米国の黙認を得て平和憲法を無力化し、集団的自衛権を認めようとしています。また、福島の悲劇を経験したにも関わらず、原発を再稼働させようとしています。さらに問題なことは、これらの昨今の動きが、国と国の間の緊張を緩和するどころか高めており、朝鮮半島と北東アジア地域の平和を脅かす要因となっているということです。

朝鮮半島の非核化は和平条約の締結から始まる

 冷戦のあいだ、朝鮮半島は常に核戦争の脅威のもとにありました。1957年、休戦協定が締結されてから間もなく、米軍は戦術核兵器を韓国に持ち込み、1990年初頭まで1000発を超える核兵器が国内に置かれ、配備されていました。冷戦が終結しても核の脅威はなくなりませんでした。北朝鮮は、休戦体制のもとでの軍事的な劣勢を逆転しようと核兵器開発に情熱を傾け、このため2つの朝鮮の間に何度か軍事衝突が起こりました。2013年春のできごとは、北朝鮮の3回目の核実験以来の軍事的緊張が極度に達したときの事態をはっきりと示すものでした。

 この20年間、核問題解決にむけて努力はなされてきました。1992年の朝鮮半島非核化宣言、1994年のジュネーブ枠組み合意、2000年の米朝公式声明、2005年の6か国協議と9・19合意など、米国と韓国が安全と経済援助を保証する合意をおこない、北朝鮮の核計画中止と引き換えに政治的関係の改善がなされてきました。しかし、朝鮮半島の核の脅威を低減できる合意はなされていません。北朝鮮と韓国・米国の相互の行動が積み重なって、事態がそのたびに悪化してきたからです。

 ここ数年、韓国と米国は、問題を対話によって解決しようとするのではなく、北朝鮮に対する圧力と制限を増大させることに焦点を当てています。「北朝鮮に対する抑止の強化」という口実で、米国と韓国は通常兵器での攻撃能力、ミサイル防衛、そして米国の戦術核兵器を利用した「核の傘」の力を強化してきました。何よりも、この2国は「積極的抑止戦略」を選んでいます。北朝鮮の核兵器使用の兆候が探知されたときに、先制攻撃を公然と選択肢に挙げ、その計画を実施する「キル・チェーン(死の連鎖)」先制攻撃システムを開発しています。しかし、北朝鮮の核問題は、軍事支出を増やして挑発的な政策を促進し、北に対する抑止力を強化することで解決するとは思われません。それどころか、北朝鮮は、安価で強力な兵器と非対称な先制攻撃に夢中になり、北朝鮮のGDPに相当する年間37兆ウォンも軍事費につぎ込んでいる韓国との軍事的不均衡を克服しようとしているのです。

 しかしながら、そのことは私たちが核問題を解決できないことを意味するわけではありません。もし私たちが抑止力の強化を捨て、北朝鮮に対する政策の枠組を変えるなら、緊張を和らげ、問題を解決することは可能です。オバマ政権とパク・クネ政権は、対話の結果であるべき非核化を対話の前提条件として提案することで、対話そのものを行き詰まらせる誤りを犯しました。朝鮮半島の核の脅威は70年にわたる不安定な停戦協定と分断体制が作り出した葛藤(conflict )です。このことを認め、北朝鮮の非核化を平和体制の発展と結びつけること、そして米朝関係と日朝関係を増進させることこそが、現在の情勢の下でもっとも必要な道なのです。核兵器のない北東アジアに発展しうる朝鮮半島の非核化を達成するためには、朝鮮の戦争状態を終わらせ、ただちに北との対話を始めることが必要なのです。

日本による集団的自衛権の追求と韓米日軍事同盟の強化

 日本はまた、北東アジア地域で平和を強める義務を負っています。平和憲法の改定をやめ、軍事的強化政策から撤退すべきです。領土紛争とともに北朝鮮の核の脅威が、日本の平和憲法改定の正当化に使われてきました。昨年7月、日本の安倍首相は平和憲法の解釈変更を発表し、その口実として朝鮮半島での緊急事態に際して日本人を救出・避難させるために集団的自衛権の行使を追求することをあげました。しかし、この行動は、過去の歴史からしても朝鮮の人々に敵愾的な好奇心を煽っただけでした。日本の憲法は1946年から現在にいたるまで、戦争犯罪をおこなった日本がなすべき平和と友好的外交を世界に約束するものでした。平和憲法を弱体化しようとする安倍政権は、北東アジアで持続可能な平和の最小限の土台も破壊しようとしているとみなされているのです。

 さらに深刻なことは、米国が、韓国、日本、米国間の軍事同盟を追求するとともに米日相互防衛政策を改定することによって日本の動きを容認していることです。表面的にはパク・クネ政権は起こり得る朝鮮半島への日本の干渉を非難し、批判しています。しかしながら彼らは、日本との軍事同盟を強化するために迂回作戦を取っているのです。パク・クネ政権は韓日軍事情報保護協定を、立法府の承認の要らない韓米日の了解覚書に変えました。とりわけ、韓米日軍事情報共有協定は効果的なミサイル防衛体制の構築に必要なものとして知られているわけですから、韓国が米国の主導の下に日本とともにミサイル防衛網の構築に参加するであろうことは明らかです。

 また、米韓日同盟の現在の進捗状況をみると、済州島の海軍基地も沖縄やグアムと同じように海洋軍事同盟と核/ミサイル軍備競争の前哨として使われるのではないかとの疑念がわきます。2012年以来、日本、韓国、アメリカの3国は救助・探索訓練の名のもとに統合軍事演習をおこなってきました。こうした情報から、そして韓米日軍事情報共有協定調印の事実からして、それがミサイル防衛演習に変わっていくのは時間の問題です。

 東海(日本海)の不安定な場所に作られている前哨やこれらの前哨を前提とした軍事演習、さらには挑発的な軍備競争はこの地域で緊張と紛争をいっそう悪化させることになるでしょう。もし北東アジアで、韓米日と朝中ロとの間で冷戦が再燃したなら、平和が達成されないことは明らかです。

平和にチャンスを

 韓国と日本が必死になって「核の傘」に依存していることは皮肉としか言いようがありません。日本は最初に原爆で破壊された国であり、韓国からもまた7万人以上が日本で働き、核攻撃で被災しました。最大の皮肉は、「核の傘」の下にいることは核攻撃の危険を減らすのでなく逆に増やすということです。北朝鮮が3度目の核実験をおこない、そしてそれで安全になった人は誰もいないという事実がこの議論を証明しています。

 ことしは、70年にわたる構造的な紛争要因とアジアにおけるその否定的影響についてとりくむ絶好のチャンスだと思います。とりわけNPT再検討会議は、軍備競争と北東アジア地域で悪化している核の脅威とを停止ないし弱めるチャンスを与えるでしょう。しかしもし国際社会が、核の脅威を強め加速する休戦体制、安倍首相の思慮のない軍事力の再強化政策、日韓の盲目的な「核の傘」依存政策などを終わらせようとしないなら、北東アジア諸国にとって、核の脅威にきっぱりと終わりを告げる最後のチャンスは失われてしまうかもしれません。私たちは世界の平和運動が私たちと連帯し、2015年を朝鮮半島の核の危機の解決と非核の北東アジア、そして最終的に世界から核兵器を廃絶するための転換点とすることを望んでいます。

1)核兵器のない世界への国際社会の努力とビジョンを私たちの国の国民に知らせ、核兵器の破局的な人道的影響とすべての核兵器を廃絶する必要についての啓発を強めましょう。この目標を達するために、議員や政府、市民社会にその努力を強めるよう求めましょう。

2)核抑止に依存した軍事戦術を減らし、最後には核の脅威を一掃する全体的で先進的な政策を追求しましょう。

3)日本の平和憲法改定、米韓日の軍事同盟に反対するよう人々を動員しましょう。北東アジアの海洋の軍事化に反対する人々と
いっそう緊密に協力して活動し、軍事同同盟や軍事基地でなく、北東アジア諸国民の安全のための共同の、協力した安全保障体制を創りましょう。

4)各国政府に、軍事費を減らし、国民の安全と福利のためにお金を使うよう求めましょう。


 
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