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原水協(原水爆禁止日本協議会)
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ビキニデー

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2005年3・1ビキニデー日本原水協全国集会
基調報告

 2005年3・1ビキニデー日本原水協全国集会に参加された駐日大使館と海外の友人のみなさん、核兵器廃絶への生き証人=被爆者のみなさん、全国および現地静岡の代表のみなさん、未来を開く「核兵器をなくそう・世界青年のつどい ACT・ONE」に集まった青年のみなさん。日本原水協を代表してみなさんに心から歓迎の意を表明いたします。

被爆国日本の非核世論を「いま、核兵器の廃絶を」署名に結集して
 広島・長崎の被爆から60年のことし、5月にニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議へ、さらに8月の被爆60年にむかって世界の人々が行動に立ち上がっています。5年前、核兵器廃絶を約束させる原動力となった新アジェンダ連合や非同盟諸国の政府がその合意を実行に移すよう求め、マレーシア政府は非同盟運動全体を代表して、核兵器廃絶にいたる条約交渉を開始するよう要求しています。昨年の世界大会でメキシコのデアルバ大使が約束したように、世界の非核地帯に加わる108カ国の政府が4月、メキシコに集まり、核兵器廃絶の実行を要求しようとしています。2020年を目標に「核兵器廃絶」をとの広島・長崎の市長のよびかけに全米市長会議をはじめ世界の自治体が支持を寄せています。
 世界の反核運動のネットワーク「廃絶二千」や、1月に15万の人々を結集してポルトアレグレで開かれた世界社会フォーラムが、NPT再検討会議前夜の5月1日と今年の8月6日、9日に世界的な行動を呼びかけました。これに応えて平和正義連合をはじめ全米、全世界の反核平和運動が「いま、核兵器の廃絶を」を共通のスローガンにニューヨークやその他の都市で行動しようとしています。
こうして世界が行動に立ち上がっているとき、我々が果たすべき役割は明確です。私は、最初に、被爆者とともに核兵器全面禁止・廃絶を掲げ続けてきた運動として、この動きに応え、「核兵器廃絶」の約束実行と、そのための日本政府の具体的役割を要求する圧倒的な世論をつくりあげることをよびかけたいと思います。
51年前の3月1日、アメリカがビキニ環礁でおこなった核実験に対して、私たちの先輩は時をおかず行動に立ち上がり、日本の全有権者の過半数を超える3238万の署名の力で、核兵器全面禁止を願う世界の世論を励ましました。そのビキニデーの伝統をいまに活かし、ニューヨークの行動までの2ヵ月間、日本国民の非核の願いを「いま、核兵器の廃絶を」の署名に結集し、世界から寄せられた署名とともに5月2日、NPT再検討会議に伝えようではありませんか。

ブッシュ政権の核政策は、孤立と破綻への道
 広島と長崎を経験した20世紀の最後の年、人類が到達した生存のための結論、それが前回のNPT再検討会議で核保有五カ国もふくめ、187の参加国によって合意された「核兵器廃絶」の「明確な約束」でありました。これが実行に移されなかった理由は何か?
 それは、なにより最大の核保有国アメリカが、圧倒的な軍事力こそ「安全の保障」と主張し、アメリカの意にそぐわないものには「核兵器、通常兵器をふくむあらゆる選択肢を行使し、圧倒的な力によって対応する」ことを基本戦略としていること、そしてそのために核兵器に「使える兵器」としての新たな役割を持たせようとしていることにあります。
 事実、ブッシュ大統領は、2月3日の一般教書演説でも、事実上無期限のイラク占領・支配を宣言した上で、「テロリスト」、「大量破壊兵器の拡散」などに加え、新たに「圧政国家」との対決を宣言し、「世界における圧政の終結こそアメリカがめざす究極の目標である」とうそぶきました。また、小型核兵器の開発や「ミサイル防衛計画」を推進する一方、次回NPT再検討会議では、核兵器廃絶を受け入れた2000年の合意を「死文化する」と言い、非核保有国への核兵器不使用を約束するいわゆる「消極的安全保障」についても拒否する方針を明らかにしています。
 しかし、このような武力行使や核兵器への固執が、世界からのいっそうの孤立と破綻を招くことはすでに証明済みのことです。イラク攻撃に反対して世界にひろがった反戦行動の高まりにも、先の見えないイラク情勢にも、ブッシュ政権の核政策に対する新たな批判の広がりにも、それがはっきりと表れています。昨年12月の国連総会では核兵器廃絶の約束実行を求める「新アジェンダ連合」の決議が賛成151対反対6の圧倒的大差で可決されました。この決議にはNATO加盟国でさえ大半が賛成に回りました。一昨日は、ブッシュ政権の主導するミサイル防衛計画にたいし、カナダのポール・マーチン首相が参加を拒否したことも報じられています。
 この核兵器廃絶の流れをさらにひろげ、加速させ、新しい歴史のページをみずからの力で開くために、全力をあげようではありませんか。

「核の傘」から離脱し、核兵器廃絶に貢献する日本をめざして
 この課題を実現するために、もうひとつ重要なことは、日本政府にたいして核兵器廃絶への具体的役割を果たさせることです。
 この間の動きを見ても、国際的には5月の再検討会議で議長を務めるブラジルのデゥアルテ大使が米ロの核保有国に行き、日本にも来て、核軍縮と不拡散の両面で会議を成功させるようよびかけています。メキシコ政府が非核地帯参加国会議を発表し、日本でも、広島・長崎市長が世界を跳びまわって、核兵器廃絶での事態の進展をよびかけています。こうした役割は本来、世界唯一の被爆国であり、核兵器をもたず、つくらず、持ち込ませない非核三原則を国是とし、戦争放棄の憲法を持つ日本政府が率先して果たすべきものです。
 現実には、日本政府は、国連決議で「核兵器廃絶の約束」には言及しても、それを実行することは要求せず、核兵器禁止の条約や交渉を求める決議にはすべて棄権し、核兵器の先制使用や非核保有国への核脅迫・核使用は、「抑止力の一部」だからといってこれを容認し、北朝鮮の核問題に関する六カ国協議では、その開始前に米国政府に対して、率先して先制核使用政策を維持するよう働きかけた経過さえあります。
 さきの日米安保協議でも、日本政府は、「テロと大量破壊兵器の拡散に対抗」するとしてブッシュ政権の世界戦略に協調し、日米同盟に「地球的な」役割を果たさせることを確認し、ミサイル防衛の導入や在日米軍基地の再編への協力を約束し、核問題でも、「核兵器廃絶」にいっさい言及しないまま、米主導の核拡散対抗戦略には全面的に追随・協力することを約束しています。

 北朝鮮の核開発に関して言えば、核兵器が「自衛」とか「抑止」の手段などということ自体、絶対に受け入れられないものであり、速やかに六カ国協議の枠組みに戻り、朝鮮半島非核化のために誠実に努力すべきことを強く要求するものです。
 同時に、この問題の経過を見ても核兵器の全面禁止以外に、核拡散問題の本質的解決がないことも明らかです。みずからは膨大な核兵器を保有し、あるいはそうした国の「核の傘」の下で核脅迫に加担しながら、他方で、核の放棄を求めても、説得力はありません。逆に、いま、世界に3万発もの核兵器を配備する五つの核保有国が、核兵器全面禁止の方向へコースを変え、努力を開始するなら、今日の核拡散問題も一挙に解決の方向に向かうことは明らかです。
 この点からも、我々は、日本政府に対して、核兵器全面禁止のための努力をおこない、みずからも憲法を守り、非核三原則を法制化して、アメリカの「核の傘」から離脱するようせまる大きな国民世論をつくりあげましょう。

核兵器のない世界を実現する草の根からの世界的連帯へ
 次に、この原水協集会でみなさんに意思統一をお願いしたい行動の問題です。日本原水協の今年度の運動方針からとくに重要な三つの行動について強調したいと思います。
 その第一は、もちろん5月2日、NPT再検討会議の開幕にむけて国民の中に核兵器廃絶のコンセンサスを築き、「いま、核兵器の廃絶を」の署名に結実させる行動です。いま、この署名運動には新たな勢いが生まれようとしています。全国3000の自治体の中で、この署名に賛同を寄せた知事・市区町村長、議会の議長の数はすでに1150名を超えました。2時間のロングラン署名で2000名の市民が署名した熊本の経験や、市長、組合、農協と地域社会に広がった栃木県今市の活動など、地域を変え、国を変え、世界を変えようとの意気込みにあふれた経験が各地で広がっています。
 あわせて、私は、原水爆禁止運動がもつもうひとつの重要な役割についても強調したいと思います。それは、自衛隊のイラク派兵や憲法改悪の危険な動きのなかで、原水爆禁止の運動は、反核平和の方向で国民的コンセンサスを強め、戦争の動きを封じる特別の役割を持っているということです。世界の人々と連帯し、戦争への道を封じるためにも、学習と意思統一を強め、あと2ヵ月の限られた期間、「いま、核兵器の廃絶を」求めるこの署名で国民の1割をめどに目標数を達するよう全力を挙げようではありませんか。
 第二は、被爆60年の原水爆禁止2005年世界大会の成功をめざす活動です。いま、NPT再検討会議にむけた世界の行動が実を結べば、国際政治の舞台でも私たちは、大きな成果を収めることができるでしょう。その場合には私たちには、核兵器廃絶のプロセスを実行に移させるための新たな努力が求められるでしょう。同時に、もし一部の核保有国があくまで核の特権を捨てようとせず、世界史の逆流の位置にとどまろうとするなら、我々もまた、なお大きな運動と世論をつくり、その動きを封じなければなりません。そのどちらの場合でも、原水爆禁止2005年世界大会は、人類の生存と未来をかけて、政府、自治体、NGOなどの垣根を越えた協力と、全世界の草の根の反核平和運動の連帯をつくりだす重要な契機となるでしょう。私は、この場からあらためて核兵器廃絶をのぞむすべての人々、団体に核兵器廃絶の一点で、思想、信条、過去のいきさつを超えて協力・共同を広げるようよびかけるものです。
 同時に、私は、この世界大会とそれを支える署名、平和行進などさまざまな活動を通じて、全国の地域に生き生きとして楽しい地域原水協を作り、発展させてくれるよう強くお願いしたいと思います。
 最後に、私は、いま全国の被爆者のみなさんが、心身の困難をおして立ち上がっている、原爆症認定訴訟へのみなさんの特別の支援を訴えたいと思います。全国18の都道府県166件の提訴者を中心にたたかわれているこの訴訟は、原爆被害の非人間性を知らせ、人類と核兵器が共存できないことを訴えることを何よりも大きな目標としています。核戦争阻止、核兵器全面禁止とともに被爆者援護連帯を三つの基本目標とする原水協が、この願いを正面から受け止め、あらゆる機会に被爆者の話を聞き、訴訟支援の署名を集め、それを支える募金に原水協が存在するすべての地域で取り組もうではありませんか。今日と明日の二日間、楽しく、希望のわく討論を期待して基調報告といたします。



 
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