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【2013年3・1ビキニデー日本原水協集会/国際交流フォーラム】キャマリン・キツグア(グアム平和正義連合)

 こんにちわ、皆さん。ハファ・アダイ。

 私はキャマリン・キツグアです。ミクロネシアのグアムから来たチャモロ人です。私たち民族はこの島を「グアハン」と呼んでいます。長さ30マイル、幅12マイルのグアム島はマリアナ諸島最大の島で、西太平洋に位置しています。今日、この島を「祖国」と呼ぶ人は16万人います。
 私の祖国は今や、世界で最も古い植民地の一つになりました。何世紀にもわたり、私の祖先のグアム先住民は植民地主義や軍国主義に伴う不当な扱いを受けてきました。1521年にグアムがスペインの植民地になってから、チャモロ民族と私たちの運命は他の国によって決められてきました。1898年にスペインからアメリカへと譲渡されると、グアムは米海軍の指揮下に置かれるようになりました。グアムはアメリカに組み込まれない領土に分類されています。
 先月、私は島の北部にあるアンダーソン空軍基地に入ることができました。基地内に入ると、かつての森が整地になっていました。友人は、昔そこにイフィットという木が生えていたと教えてくれました。イフィットはグアム原生で、グアムのシンボルになっている木です。第二次世界大戦前には、この頑丈な木は住宅などの建設に使われていました。また、その強さから、苦境にくじけることなく立ち上がるチャモロ民族を表す木となっています。グアムの現行法でも生きたリフィットの木を伐採することは禁止されています。基地内の木は伐り倒されたのではなく、根こそぎにされたのですが、その理由は不明です。
 古代チャモロ人は自然と調和して生きてきました。彼らは、人間、動物、植物など全て生物には魂があると信じていました。土地から自分が生きるために必要なものだけを貰い、残りは他の生き物に残しました。彼らの世界観では、人間と自然は互いに依存し合っていたのです。
 このようなお話をするのは、グアムが受けている軍備増強のすさまじさと、その抑圧が人民だけではなく自然にまで影響を及ぼしていることを皆さんに理解してもらいたいからです。
 1954年、マーシャル諸島での「ブラボー」水爆実験によって、グアムは島全体が放射性物質に汚染されました。1968年から1974年までの年間降水量の中で、グアムはマーシャル諸島のマジュロと比べても、ストロンチウム90の汚染が高くなっています。グアムの南部にあるココス島環礁では、マーシャルで放射線に汚染した船の洗浄が行われていました。
 アンダーソン空軍基地は有毒物質汚染の根源でもあります。廃棄物処理場があるうえ、化学物質が染み出して基地の地下水脈を汚染しています。基地北部の外側にある2か所の処理場には、アンチモニー、ヒ素、バリウム、カドミウム、鉛、マンガン、ダイオキシン、劣化した軍需品や爆薬、PCBなどが含まれていることが判明しています。また、ベトナム戦争で空中散布された枯葉剤のエージェント・オレンジやエージェント・パープルがドラム缶に貯蔵されたままになっており、それが他の地区も汚染しています。基地内の多くの汚染地区は除染がされていますが、基地外の汚染地は必ずしも除染されていません。
 日本の沖縄の米軍基地閉鎖が計画されているため、米軍部はアジア太平洋地域におけるグアムの位置を新たな「戦略的要石」ととらえ、軍隊を増強し、利用を拡大することを計画しています。2012年12月に発表された補足的環境影響評価(SEIS)についての最新ニュースでは、海兵隊員5000人(およびその家族など1,300人)が移転することになっています。グアム住民をはじめ私たちを支援してくれる人々は、この計画の問題点を指摘して、基地移転・軍備増強に反対する1万を超える意見書を提出しましたが、米国防省は計画を着々と進めています。アメリカ政府はグアムを「アメリカの主権が及ぶ領土」に指定し、本来なら外国であるはずの政府の意見を聞くことなく、軍隊の行動の自由を認めています。国防省は日本政府が、グアムの電力、下水道、下水処理施設などに、約100億ドルの軍備増強貢献を行うことを明らかにしました。
 現在、米軍は島の土地33%を要求しています。軍備増強計画に備えるため、国防省は、先住民の聖地を手に入れ、そこに実弾演習場の建設を計画しています。この演習で使用される弾薬の廃棄物は、島周辺の海に投棄される予定で、海洋生物やその将来に被害を与えるでしょう。
 2012年12月、V-22オスプレーとして知られる多任務軍用機3機がマリアナ諸島領域で初めての演習を行いました。これらV-22オスプレーが沖縄を離陸する前には、数千名の人々が、安全性が疑われるような飛行機を配備する米政府の計画に抗議しました。
2013年1月、アメリカ環境保護局(EPA)は有毒物質報告リストに、アプラ港の海軍下水処理施設を記載し、そこから環境に放出された有毒物質全体の68%が放出し、2011年にはその放出有毒物質の100%が硝酸塩だったこと発表しました。この硝酸塩放出が増えれば、グアムのサンゴや河川・湖沼系などは永久に損なわれてしまうでしょう。
 グアムの商業会議所や企業家たちの要請で、軍備増強についての公開討論が行われました。彼らはグアムの軍備増強こそが、弱体化したグアム経済を復興させる唯一の可能な道だと考えています。グアム住民の25%以上は現在、貧困ライン以下で生活しています。グアムの軍隊入隊率は世界最高になっています。
 軍備増強反対派は米軍がグアムに及ぼす悪影響を強調しています。それは劣悪な衛生条件、放射線被ばく、汚染および有毒物質処理場の存在、漁業など伝統的活動の減少、絶え間ない土地の取得に現れています。グアムの発がん率は高く、なかでもチャモロ人の発がん率は他の民族よりも著しく高くなっています。2003年から2007年のガンによる死亡率をみると、口、喉頭、鼻口腔、肺と気管支、子宮頚、子宮および肝臓の発がん率がいずれもアメリカ本土を上回っています。グアムに住むチャモロ人は、糖尿病に罹る率も、他の民族より高いのです。私は現在ソーシャルワーカーとして高齢者のお世話をしており、海軍基地のすぐそばに住んでいる人や、民間人として基地内で働いていた人、朝鮮戦争やベトナム戦争で従軍したことのある人々を見てきました。彼らの健康状態がいかにひどいか、私はその不幸な真実を目の当たりにしてきました。
 軍備増強に伴う病気の多発や社会問題の増加は、グアムの貧困層だけでなく、グアム人全体を苦しめています。
 アメリカに組み込まれない領土というグアムの政治的な地位によって、住民はアメリカ議会の選挙で投票する権利を与えられていません。私たちはアメリカの連邦法・規制などの適用を受けるのに、大統領選挙に参加できないのです。私たちはグアム議会議員を選挙することはできますが、グアム議会で成立した法律を、アメリカ議会は無効にすることができるのです。私たちはワシントンDCで開催されるアメリカ議会や公聴会、会議などに立ち会う代表者1名を選んでいますが、その代表でさえアメリカ議会での投票権を与えられていません。
 グアムにおける植民地支配の根本的な要素は、アメリカ政府の利益のために機能しています。アメリカは幾度となくグアムをアメリカの国家安全保障のための資産とみなし、グアム住民の最大の利益を無視してきました。それゆえ、チャモロ人をはじめグアム住民は、自決、脱植民地支配、脱軍事化の必要性を認識するにいたったのです。
一部の人々はグアムがアメリカに依存しすぎているため、一歩でもアメリカから離れるとグアム経済は不安定化してしまうと考えています。
 他方、ますます多くのチャモロ人やグアム住民は、積極的な変化をおこす必要性を感じています。グアム先住民の権利拡大を進めているNGOは少数です。脱植民地化委員会が復活し、これらの問題の重要性を一般大衆に啓蒙しています。グアムの政治的地位を決定することになる住民投票が計画されているなか、委員会はグアム島内の公立高校に通う青年に様々な政治的地位の選択肢に関する情報を提供しています。次に予定されている行動は、学生のあいだで模擬住民投票を実施することです。これによって、課題や勢力分布とともに、民族自決についての住民過半数の意見を十分反映した住民投票にするためにどのような変化を起こす必要があるかも明らかになるでしょう。
 私は子供のころ、欧米社会とその軍隊の影響を受ける環境の中で育ちながらも、チャモロ文化の価値と道徳を守るように教えられました。私はグアムの娘として、外国による占領と、その永続がどんな不当な行為がどんなものかを理解しつつ大きくなりました。そして革命に対して同じ情熱をもつ人々との友情を築いてきました。私は、自分の島について皆さんにお話しできて幸せです。
私は私の島の人々を代表して、皆さんに日本政府がグアムの軍備増強に投資するのを阻止するようお願いします。核兵器のない世界を信じる人間として、平和で核兵器のないアジア太平洋をめざして活動する友人として、私は私たちが話し合い、互いに学びあい、連帯すれば、私たち自身と活動の中に解決策を見出すことができると確信しています。私の希望は、一日も早くその解決策が私たちの祖国のたたかいを発展させ、現在と将来から争いをなくし、軍国主義を根こそぎにすることです。私の希望は一日も早く、その解決策が私たちを強くし、真の平和と絶対の正義、自由に満ちた持続可能で繁栄する祖国で生きることです。ありがとう。サイナ・マーセ。


 
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