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2013年3・1ビキニデー日本原水協全国集会・全体集会/基調報告

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 みなさん、こんにちは。事務局長の安井正和です。
 2013年3・1ビキニデー日本原水協集会への基調報告を行います。

 はじめに、集会参加のご来賓のみなさん、海外代表のみなさん、そして地元静岡と全国の代表のみなさんに心から敬意を表明します。
 いまから59年前、1954年3月1日、アメリカがビキニ環礁で行った水爆実験「ブラボー」は、広島型原爆の1000倍、15メガトンという巨大な威力をもち、世界の核軍備競争を人類絶滅の危機という、新たな段階に推しすすめるものでした。
その危険はいまも消え去っていません。世界には約2万発の核兵器が配備・貯蔵されており、それは一瞬にして地球を壊滅させる力をもっています。
 同時に、ビキニ水爆実験による第五福竜丸をはじめとする日本漁船の被災、撒き散らされた放射能への恐怖は、多くの人びとを原水爆禁止へと立ち上がらせ、人類を絶滅の危機から救い、文明をまもる新しい歴史の出発点ともなりました。
 それ以後、半世紀をこえる原水爆禁止運動は、核兵器全面禁止を求める大きな世論と運動をつくりあげ、「核兵器のない世界」の実現を目標とする国際政治の合意を実現させてきました。
 今日、国連加盟国の7割を超える国ぐにが核兵器禁止条約の交渉開始を支持し、世界中のNGOも一致して核兵器禁止を要求しています。この流れはゆるぎないものとなっています。
 2月8日、9日に開催した第85回全国理事会は、日本原水協がこの1年、全国各地でとりくんできた原爆写真展の開催と「核兵器全面禁止のアピール」署名のとりくみが、核兵器の非合法化するための努力をよびかける35カ国の共同声明など、各国政府の努力と重なり合って、「核兵器のない世界」への流れを強めてきたことに確信を深め、いっそうの前進を誓い合いました。全国理事会で決定した2013年度運動方針は、資料袋の中にある「原水協通信」3月号に折り込まれています。
 
 参加者のみなさん、
 私はこの全国理事会の方針をふまえつつ、本日のビキニデー集会から8月の世界大会へ、さらにその先へと、私たちの運動を発展させていくために、二つの重要な分野の活動を提起したいと思います。
 その第一は、世界の大勢となった核兵器廃絶の流れをさらに推し進め、現実へと変えていくための行動です。
 2010年NPT再検討会議が「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」ことに合意してからまもなく3年。世界の人びとの願いや多くの国々の努力にもかかわらず、国際政治、とりわけ核大国はいまなお、この合意の実行へと進もうとしていません。
 また、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効や核分裂物質生産禁止条約(FMCT)の交渉、中東非核兵器地帯の国際会議開催など、同時に合意された個別の措置も、何一つ具体的進展を遂げていないのが現実です。
 先日、オバマ大統領は一般教書演説で、ロシアといっそうの核戦力削減を追求することを明らかにしました。もちろん私たちは核軍縮には賛成です。とりわけ世界の核兵器の90%を米ロ両国が保有していることからも、それを率先して推し進めるべきです。
 しかし、「核兵器のない世界の平和と安全」は、ただ米ロ両国が互いのバランスの上に交渉を重ねているだけで達成できるわけではありません。
 「核兵器のない世界」を達成するには、それ自体を目標とした拘束力ある国際的合意が必要であり、そのための交渉が必要であることはもはや自明の理であるばかりか、世界の圧倒的な人々とその政府の意思です。
 私たちは、もちろん核兵器の拡散に強く反対しています。どのような理由があれ第二、第三の広島・長崎を引き起こす核兵器の開発は絶対に正当化されません。私たちはそのことを北朝鮮に強く指摘し、核開発計画の放棄を要求するものであり、現に要求しています。
 同時に、現に核兵器を持つ国が、自分よがりの「核抑止力」論にしがみついている限り、核拡散の危険もなくならないことは今やだれの目にも明らかです。
 私たちは、一貫して核兵器全面禁止を主張してきた運動としてそのことを強く指摘し、核兵器全面禁止へと行動を起こすこと、それも2010年NPT再検討会議の合意実行が問われる2015年NPT再検討会議を視野に入れて、すみやかに行動を開始するよう強く求めていきたいと思います。

 参加者のみなさん、
 提起の二つ目は、憲法9条と「非核三原則」を持つ被爆国として、日本政府に国際政治でもアジア外交においても、ふさわしい役割を果たさせるため、世論と運動を大きく前進させることです。
 昨年末の総選挙は、国民の期待を裏切り続けた民主党政権に厳しい審判がくだされる一方で、小選挙区制という制度の下で自民党など改憲をめざす勢力が大幅に議席を伸ばす結果となりました。
 しかし重要なことは、核兵器廃絶、非核平和を求める国民世論は依然として多数派を維持していることにあります。今日、自治体の9割が非核宣言をおこない、2020年までに核兵器廃絶をめざす平和市長会議には7割をこえる1276自治体(2月1日現在)が加盟しています。憲法9条をめぐっても、「9条の会」は約7500を数え、世論調査では「改正反対」の声が多数を占めています。
 周知のように日本政府は、自公政権当時も、民主党主導になっても、そしてまた自公政権が復活しても、「唯一の被爆国」「核兵器廃絶の決意」などを口にしながらも、実際の行動では「核兵器条約の交渉開始」に一貫して否定的態度を取り続けています。「わが国の安全保障政策の考え方と必ずしも合致しない」と言って、核兵器非合法化の35カ国共同声明への参加を拒否したことは、世界に「驚くべきニュース」として流れ、厳しい批判を浴びました。
 この背景には、アメリカによる核の威嚇や核の使用まで期待する危険な「核の傘」(拡大抑止)依存の政策があります。その根本には、対米従属の日米安保体制があります。
 いま世界が注目しているのは、新たに成立した安倍自公政権が、こうした政策を引き継ぐだけでなく、みずからもまたアメリカの世界戦略にいっそう深く関わり、米軍と共同で軍事力を行使する「集団的自衛権」の行使や、改憲と国防軍の創設など、アメリカの「副官」への道を歩むことを公言している内閣だということです。
 被爆国にもかかわらず、こうした姿勢をとることは許されません。しかも、アジアで2000万人もの命を奪った侵略戦争の反省の上に打ち立てられた憲法9条の改正までめざそうとしていることは、歴史と人道に反し、国際的な孤立を招くだけです。
 日本政府がいまなすべきことは、憲法9条と非核三原則をもつ被爆国として、核兵器全面禁止を積極的に提唱し、「核の傘」に依存する態度を改め、核持ち込みの「密約」を破棄し、非核三原則を誠実に実行することです。
 被爆国にふさわしい役割を日本政府に果たさせるため、核兵器廃絶の圧倒的な世論を築きましょう。

 参加者のみなさん、
 ことしのビキニデーが掲げたスローガン、「核兵器のない世界、非核平和のアジア太平洋へ、憲法9条と非核三原則を輝かせよう」というこの方向への国民の賛同と共感は、この間の私たちの日々の活動の中でも豊かに表れています。
 地域ぐるみの署名の経験は、昨年の世界大会で発言した埼玉県の本庄市の経験があります。本庄市原水協は、地域ぐるみの署名で市民過半数をめざそうと議論しましたが、最初はイメージが湧かなかったそうです。ヒントは全国の署名ポスターにありました。
お手元の資料袋に、本庄市の署名をよびかけるチラシが入っています。広範な人びとが署名の呼びかけ人に名を連ねています。市長・議会議長・教育長は、「私も署名しました」と、署名賛同者として登場するよう配慮がなされています。本庄市ではこのチラシを配布しながら市民に署名をよびかけ、この1年余りで人口の13%、1万2000人の署名を集めています。最近では民間企業からも署名が届いています。
 先日、東京原水協の代表が武蔵野市の市長に署名の呼びかけ人のお願いをしたところ、市長は「北朝鮮が核実験をおこなった。こういう事態だからこそこの署名を広げないといけない」と呼びかけ人を快諾しました。そして、本庄市のチラシを見て、「この本庄のところ武蔵野に変えればいい」とアドバイスまでしてくれたそうです。
 署名スタートから2年。この間の全国のみなさんの奮闘で、自治体の首長・議長の賛同署名は1035自治体で2000名に達しています。賛同された自治体首長・議長の方々すべてに、改めて地域・住民ぐるみの署名運動への協力をお願いし、署名の大きなうねりを作り出しましょう。
 原発ゼロ、オスプレイ配備反対、TPP反対など広範な人々の行動の広がりの中で、「核兵器全面禁止」はもっとも広い国民的合意を築く共通の基礎となります。
 「核兵器全面禁止のアピール」署名と原爆写真展、5月6日からスタートする国民平和大行進、原発ゼロめざす運動との連帯、被爆者援護連帯のとりくみの一つひとつが、国民との対話と共同をひろげる絶好の機会です。
 こうした行動の一つひとつの前進をバネにして、8月の原水爆禁止2013年世界大会の歴史的な成功をかちとりましょう。

 以上で基調報告を終わります。ごいっしょにがんばりましょう。


 
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