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原水協(原水爆禁止日本協議会)
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機関会議の決定書類/談話/声明

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申入第9回核不拡散条約(NPT)再検討会議にあたっての日本政府への申し入れ
核兵器全面禁止条約実現のための実効ある行動を
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
外 務 大 臣 岸田文雄 殿

2015年4月17日
原水爆禁止日本協議会

 広島と長崎の被爆から70年にあたることし427日から522日までニューヨークで開催される第9回核不拡散条約(NPT)再検討会議は、世界の平和と安全に関わる極めて重要な意義をもっています。

 5年前に開催された第8回再検討会議では、核兵器廃絶を願う世界世論の高まりを背景に、「核兵器のない世界の平和と安全」の達成を「目的と原則」の第一とし、核兵器国が「自国の核兵器の完全廃絶を達成する」こと、すべての国が核兵器廃絶の「枠組」を確立する「特別の努力」を行うこと、核兵器(禁止)条約の交渉など潘基文国連事務総長の5項目提案に留意することなど64項目の行動計画に合意しました。また、1995年のNPT再検討延長会議で決議された中東非核・大量破壊兵器地帯創設のために国際会議を開催することも合意されました。

 第9NPT再検討会議は、この合意の履行について検証し、すべての締約国が遅滞なく合意を実行すべき責任を負っています。とりわけ日本政府は、核兵器の破局的な影響を国民が直接体験した国として、また、国際紛争の平和解決と武力の放棄を憲法上の原則とする国として、国際的にも日本国民に対しても核兵器の廃絶のために誠実に努力する責任を負っています。

 私たち原水爆禁止日本協議会は、2010NPT再検討会議が最終文書に合意したことを受け、その実現を促進するために2011215日、「核兵器全面禁止のアピール」を発表し、それを支持する署名運動を開始しました。この「アピール」には現在集約されているだけでも、全国の7割を超える地方自治体の首長、議会の正副議長を含め、4264616名(310日現在)の方々が支持を寄せています。私たちは、多くの国民の願いを結集するこの声に応え、日本政府が、核兵器全面禁止・廃絶の実現に誠実に努力するよう求めます。

 

 私たちの具体的な要請項目は以下の諸点です。

 第一は、核兵器全面禁止・廃絶にかかわる問題です。周知のようにNPTは第6条で、各締約国が核軍備の撤廃の措置について交渉し、完結することを義務付けており、その上に、前回再検討会議は、核兵器(禁止)条約の交渉についての留意を含め、すべての国が核兵器のない世界の「枠組」を作る「特別の努力」を行うことに合意しました。

 私たちは、世界の圧倒的多数の国々が核兵器を禁止し、廃絶することを求め、広島・長崎の被爆70年をその実現の里程標にすることをよびかけているいま、「核兵器のない世界の平和と安全」を「達成」する「枠組み」として、核兵器全面禁止廃絶条約を提唱し、その交渉開始を提起することを強く求めます。

 また、多くの国民が核兵器のひき起こす非人道的帰結を体験した国として、核兵器の非人道的影響の問題を核軍備撤廃のすべての議論の基礎に据え、核兵器に非人道性の烙印を押し、核兵器の禁止と廃絶に向けて法的ギャップを埋めようとするオーストリア政府の努力をはじめ、核兵器全面禁止・廃絶条約の交渉開始を求める世界139の国々や、「核兵器のない世界の達成・維持の効果的措置」につき、「多国間交渉の速やかな開始」(69回国連総会「新アジェンダ連合」提案決議)を求める169の国々と協調し、核兵器全面禁止・廃絶のさらに大きな世界的流れを創りだすために、あらゆる努力を行うよう求めるものです。

 

 第二は、日本政府が「核兵器の廃絶」を唱えながら、他方でそれを実現するための目標期限や措置について一貫して否定的態度を取り、拒絶し続けている事実についてです。

大量破壊兵器をめぐるこれまでのすべての経過が示すように、核兵器の廃絶は、国際社会が核兵器を禁止する法的拘束力を持つ文書=核兵器禁止条約をつくることによってのみ可能です。核保有国や日本政府の言う「ステップバイステップ」「ビルディングブロック」などのアプローチも、その目標として核兵器の全面禁止を前提にしてこそ意味を持つのであり、その目標を持たずに議論を重ねてみても、なんの実りもないことはこの70年間の軍備管理交渉の現状が示す通りです。

 日本政府のこの姿勢は、核兵器を「安全の保証」「抑止力」とみなして、日本の安全をアメリカの「核の傘」に依存させていることに根源があります。しかし核兵器が「安全」を守るどころか垂直・水平の両方向の核拡散を引き起こし、いまも朝鮮半島や中東、ウクライナの緊張をめぐる核保有国政府の言動や、核攻撃さえ想定した軍事演習に見られるように、核の危機を引き起こしている元凶であることは明らかです。

 核兵器を廃絶するには、この悪循環に頼るのでなく、断ち切ることです。NPT189の締約国のなかで、184の国々が「非核兵器国」として核兵器を取得も、開発・保有もしない条約上の義務を受け入れており、さらに中国、インド、パキスタン、北朝鮮の4か国が「包括的核兵器条約の早期締結のための交渉を緊急に開始」をよびかけた69回国連総会「ハイレベル会合の後追い」決議に賛成票を投じている事実を見れば、核兵器全面禁止のプロセスを開始することは可能です。唯一の戦争被爆国という立場からすれば米国への働きかけを含め、日本政府こそがそのイニシアチブを取るべき立場にあるはずです。核兵器のない世界実現へと勇気をもって行動を起こすことを強く求めます。

 

 最後に私たちは、いま、政府が進めている「集団的自衛権行使」の準備、日本国憲法への逆行が、「個別的集団的自衛権の極限の状況」での核兵器使用の容認の動きと相まって、国際的にも大きな懸念を引き起こしていることを指摘しておきます。

 「核兵器はみたび使われないことが人類の利益」であり、その確かな保証は核兵器を全面的に禁止し、廃絶することです。広島と長崎の被爆から70年のことしを、日本政府が核兵器に依存する態度を捨て、核兵器の全面禁止・廃絶へと方向を変え、核兵器のない平和で公正で持続可能な世界に向かって誠実に努力する契機とするよう強く求めるものです。


 
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