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原水協(原水爆禁止日本協議会)
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常任理事会核兵器のない平和で公正な世界のために 原水爆禁止2012年世界大会の成功へ全力を
日本原水協第299回常任理事会決定(2012425日、26日)

はじめに

いよいよ2012年世界大会まで3カ月、5日後には2015年に向けたNPTの準備プロセスがはじまる重要な時期を迎えている。第299回常任理事会の任務は、この間の運動の到達と情勢をふまえて、8月の世界大会成功にむけた運動の飛躍、とりわけ核兵器全面禁止の世論を圧倒的にひろげる意思統一をおこなうことにある。

 

、核兵器全面禁止、非核平和の日本へ、情勢を切り開く新アピール署名と「原爆展」

いま、原発からの撤退、TPP交渉参加反対、消費税増税反対をはじめ、暮らしと命を守り、自主的で民主的な国の進路を求める国民の強い願いと行動が全国に広がっている。「核兵器全面禁止のアピール」署名は、こうした行動の国民的土台を固め、核兵器禁止の国民的意思をつくり、日本を変える力としてその役割を発揮している。

新アピール署名の到達は、424日現在、1787408筆となった。自治体首長の署名賛同は2月から26名増えて806名(全自治体の45%)。それに議会議長、教育長などを含めた自治体関係者の署名者数は929自治体(全自治体の54%)、1675名に広がっている。46日、9日の全国行動はすべての都道府県でとりくまれ、日本被団協が作成した新「原爆と人間」パネルは市民の注目を集め、署名運動に新たな活気を与えている。

 ウィーン原爆展に呼応する「原爆展」のとりくみは、424日現在、26都道府県の41カ所(30自治体)で計画が進んでいる。

この間とりくまれた岡山県赤磐市(中央図書館)での原爆展(41415)には、2日間で232人の市民が訪れ、4割を超える99人が署名した。市教育委員会の後援で市内17の小中学校に6000枚の案内チラシが配布され、65人の小中生が参加した。「原発問題をどうするか、これから考えていくにあたっても、過去の原爆被害は欠かせない視点」(40代の女性)、「広島や長崎の原爆も原発事故に関係あると聞き、とても興味がある」(中学生)との感想にも示されるように、原爆展は福島原発事故後の国民の関心に応え、核兵器全面禁止の国民の意思をつくる重要な機会となっている。

原爆展のとりくみを、地域ぐるみ、住民ぐるみの署名に発展させ、新たな展望をきりひらくためにも、ウィーンに呼応する全都道府県での原爆展の開催を最後まで追求しよう。

430日からはじまるウィーンの次回NPT再検討会議第1回準備委員会(以下NPT準備会合)で開催されるウィーン国際センターの原爆展に、国際平和ビューロー(IPB)も共催に加わった。IPBはすべての加盟組織(70カ国300団体)にウィーンの原爆展に呼応して、「それぞれの国と地域で、自国の政府に、核兵器禁止条約の交渉開始を求めて、圧力を加える」よう行動をよびかけた。ウィーンには、ヨーロッパの反核平和運動、廃絶2000、核兵器廃絶ICANキャンペーンの代表らが集まり、多彩な要請行動が予定されている。草の根の運動が情勢をきりひらく力である。ウィーンでの行動をはじめ世界大会に向けてさらに国際的な共同を強めることが求められている。

 

Ⅱ、当面の情勢と課題

12010NPT再検討会議からまもなく2年が経過しようとしている。核保有国の行動は依然として、「核不拡散」「核セキュリティ」と個別的な軍備管理にとどまっており、核兵器のない世界を実現する「枠組」=核兵器全面禁止への行動を起こそうとはしていない。最大の問題は核保有国が「核抑止力」論に固執し続けていることにある。

2009年のプラハ演説から3年目を前にして、オバマ米大統領は韓国外語大学で演説し、改めて「核兵器を使った国の道義的責任」として、「核兵器のない世界へ具体的行動をとる」ことを明言した。これは2010NPT再検討会議の「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」との合意を無視できなくなっていることを示している。同時に、「強力な抑止力を維持しつつも、核軍備をさらに削減することは可能」と述べた。「核兵器のない世界」を言いながら、その達成手段として核兵器禁止条約の交渉を行うことには反対という2010NPT会議当時の姿勢に変化はない。

一方、国際政治の舞台では、核兵器禁止条約の交渉開始をはじめ、NPTの合意の実行が最大の焦点となっている。各国政府、特に、核兵器国に対し、核兵器全面禁止に向け具体的な行動を開始することを迫らなければならない。

潘基文事務総長はソウルでの核セキュリティサミットで、核のテロリズムを防ぐための努力を評価しつつ、「核の脅威を除去するための最善の方法は核兵器そのものを廃絶することだ」と、改めて核兵器禁止条約の必要性に言及した。核兵器国を交渉に応じさせることができるかどうか、その鍵は市民社会、とりわけ核保有国やその同盟国での運動の広がりにかかっている。

413日、北朝鮮は国際社会の警告を無視して、「ロケット」を発射したが、計画は失敗に終わった。北朝鮮は2006年以来、ミサイルの発射実験と核実験をくり返し、2009年には、国連安保理事会も全会一致で北朝鮮に対し、「いかなる核実験又は弾道ミサイル技術を使用した発射もこれ以上実施しない」ことを求めた経過がある。日本原水協は、核の使用と威嚇に反対し核兵器の全面禁止の立場から、事務局長談話を発表し、北朝鮮に対して「ロケット」の発射実験を中止するよう強く要求し、合わせて、すべての核兵器とミサイルの開発計画を中止するよう要求した。北朝鮮の核実験の動きが報じられているが、北朝鮮は国際社会に対する挑発行為をただちに止めるべきである。

同時に、この問題の背景には、かつての「冷戦」時代からくりかえされている核と軍事的威嚇の悪循環があり、全当事国がこの悪循環を断ち切り、世界の大勢として発展している核兵器廃絶の立場から問題解決に集中すべきである。

 

2)この間、ソウルでの核セキュリティサミットの開催、北朝鮮の「ロケット」発射問題などで日本政府の対応が問われたが、米国の「抑止力」、とりわけ「核抑止力」への依存を絶対とする政治の矛盾と行き詰まりがあらわとなった。

オバマ米大統領は、ソウル外語大の演説の中で「核兵器が存在する限り、米国は韓国と日本を含む同盟国の防衛を保証する強力かつ効果的な核抑止力を維持する」と述べ、自国の核戦略を変えない理由として「日本」と「韓国」を利用した。野田首相はそれに対して何の対処もしなかった。

ここには、「核抑止力を中心とする米国の拡大抑止は不可欠であり、その信頼性の維持・強化のために米国と緊密に協力する」(新防衛大綱)と明言し、アメリカの「核の傘」に依存し続ける対米追随政治の深刻さを示している。

北朝鮮の「ロケット」発射問題では、日本は国際紛争の平和解決を憲法上の原則とする国としても、直接利害と安全が係る国としても外交を通じた問題の平和解決に全力を尽くすべきにもかかわらず、防衛相が「破壊命令」を出し、迎撃ミサイルPAC3を首都圏、沖縄・石垣島、宮古島などに、SM3迎撃ミサイルを搭載したイージス艦を周辺海域に展開するなど、これまでと同様に軍事一辺倒の対応明け暮れた。

 こうした事態は、日本が憲法を活かし、被爆国にふさわしい外交を展開することが、アジアの平和と非核化への展望を開く道であることをいよいよ鮮明にしている。いまこそ、広範な国民各層と対話を広げ、共同を強めながら、原爆展と新アピール署名を軸に、核兵器全面禁止の圧倒的な世論づくりと、非核・平和の日本のために大きく行動を広げよう。

 

Ⅲ、世界大会成功めざす活動の重点

8月の世界大会に向けて、核兵器全面禁止の世論を圧倒的にひろげる。そのために、新アピール署名と原爆展のとりくみで、これまでの枠をこえる共同をひろげ、それを土台に文字通り国民だれもが参加できる世界大会として成功させる。そして、核兵器禁止条約の交渉開始にむけた国際的な流れを飛躍させる。日本政府に被爆国にふさわしい役割発揮をせまる。

今日、世界大会は国連・各国政府と市民社会とのもっとも重要な共同の場となり、諸国政府と草の根運動の共同が今日の情勢をきりひらく力となっている。この間の運動が切り開いた到達点を踏まえて、原水爆禁止2012年世界大会の歴史的成功をめざし、以下のとりくみに全力をあげる。

 

1、核兵器全面禁止の国際的働きかけ

目前にせまったウィーンでのNPT準備会合が、核兵器禁止条約の交渉開始の国際的合意を作り出すために、働きかけをつよめる。

NPT準備会合の開会に向けて、NPTのすべての締約国およびインド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの非締約国の政府・首脳に対し、核兵器全面禁止のアクションを直ちに起こすよう求めるよびかけを発表する。

日本原水協代表団(20名)は、国連のウィーン国際センター(日本被団協、IPBと共催)とウィーン大学で原爆展の開催、被爆の実相普及、被爆の証言活動、新アピール署名行動を成功させ、核保有国に「核抑止力」論の放棄と核兵器全面禁止を迫る世論を広げる。

 国連、各国政府代表部との協議、各国の反核平和運動との交流を通じて、共同・連帯をさらに発展をさせ、その成果を世界大会にひろく結集する。

 

2、全国的な原爆展の開催、地域ぐるみ署名

1430日からの原爆展開催を全ての都道府県で成功させ、さらに8月の世界大会にむけて全市町村での開催に発展させる。新「原爆と人間」パネルとともに、日本原水協のプロモーションパネルを活用して、非核都市宣言自治体、平和市長会議加盟都市、新アピール署名の市長賛同自治体への申し入れを強化する。全国で被爆者団体や市民団体との共同をひろげ、被爆体験継承の新たな取り組みの出発点となるようとりくみを発展させる。

2)原爆展の開催と結び、「地域ぐるみ」の署名運動の計画と取り組みを具体化する。町内会・自治会、老人会、婦人会、生協、商店会など、それぞれの地域の広範な団体・個人への対話を広げ、「原爆展」の共同開催、新アピール署名への協力を申し入れる。

 3)引き続き69行動を全国統一行動としてとりくむとともに、86日、9日を原爆展開催と新アピール署名の全国的行動日として、全市町村での行動をよびかける。潘基文事務総長のメッセージとツインタワーが掲載された署名カラーチラシは、自治労連が10万枚を配布するなど積極的に活用されている。69行動や平和行進での沿道配布など、対話の促進のために活用を強める。

3、2012年国民平和大行進の成功を

今年の平和行進は、430からのNPT準備会合に焦点をあて、ヨーロッパの反核平和運動、廃絶2000、核兵器廃絶ICANキャンペーンをはじめ世界の反核平和運動がウィーンに結集し、核兵器禁止条約の交渉開始を求める行動を開始している最中にスタートする。この行動を8月の世界大会に向けて世界的な行動に発展させるためにも、国民平和大行進は特別に重要な意義をもっている。

世界の「変化」と「核兵器のない世界」の展望を国民に伝え、8月の原水爆禁止世界大会、秋の国連総会にむかって国民に行動をよびかけるとともに、アメリカの「核の傘」にしがみつく日本政府を逆包囲し、圧倒的な非核の世論を築く行進として大きく成功させる。文字通り全ての市町村での平和行進を実現する。

56日、第五福竜丸展示館前での2012年国民平和大行進東京―広島コースの出発式を、ウィーン行動と連帯する核兵器禁止のアクションとして成功させる。中央・都段階でこれまで平和行進にかかわった団体、個人をはじめ、広範な各層の人びとに参加をよびかける。青年たちの企画を支援し成功させる。

 全国の進んだ経験に学び、通過するそれぞれの地域で事前のポストイン・宣伝、原爆展の開催、署名と募金などに取り組み、その成果を新アピール署名に結実させる。

 自治体訪問を特別に重視し、世界大会と秋の国連総会に向けての自治体との共同の取り組みを発展させる。

行進ステッカー、ペナント、団扇、DVD「歩く」など、2012年版行進グッズを普及・活用する。

 

4、2012年世界大会

秋の国連総会にむかって、核兵器禁止条約の交渉開始を迫る大会にふさわしい規模(2010年は広島8000名、長崎2000名)の全国代表で成功させる。目標を共有する国際機関、政府、NGO、自治体などから参加と協力、共同を促進する。また、日本が「核の傘」から離脱し、核兵器廃絶に役割を果たすよう、世界の運動と連帯して、非核・平和をめざす全国のさまざまな運動を発展させ、結集する。平和にかかわる広範な分野の運動に参加と共同をよびかける。

全国すべての市区町村で代表派遣目標を持ち、地域、職場、学園から代表を結集する。そのための世界パンフ(5月初旬完成予定)を基礎とした学習・討論を重視し、署名、原爆展、派遣募金、大会資材の普及などに、それぞれ目標・計画をたてて取り組む。パンフ、バッジ、ポスターなど大会資材を、昨年を上まわる目標で普及する。

 

5、非核・平和の日本をめざすたたかい

アメリカの「核の傘」依存と軍事的な「抑止力」で対応しようとする日本外交の危険がいまほど明らかになっている時はない。「核の傘」からの離脱、核密約の破棄、非核三原則の厳守・実行を日本政府に迫る。そのために当面以下の行動をおこなう。

430日から開始されるNPT準備会合に向けて、日本政府に対する要請行動を行う。この要請内容を広く国民に知らせ、また、国際的にも日本国民の願いを代表するものとして広く普及する。

中国の封じ込めを狙うアメリカのアジア・太平洋地域への新たな戦略の中で、横須賀に居座る米原子力空母「ジョージ・ワシントン(GW)」や原潜の寄港、民間港湾への米艦船寄港は、日本とアジアの緊張を高め、平和と安全を脅かす重大問題となっている。また、福島原発事故の被害の大きさを見れば、高濃縮ウランを燃やす加圧水型軽水炉を推進力としているGWや原子力潜水艦の危険はいまや誰の目にも明らかである。

日本政府が核兵器の持ち込みを許さない日本の立場を国際的に通告・宣言し、非核「神戸方式」に学び、すべての核保有国の艦船の寄港に当たり、「非核の証明」の提出を求めること、米政府に対してGWの母港化撤回を通告するよう強く要求する。また、すべての関連自治体に米艦船の寄港要請に対して同様の態度をとるよう働きかける。

国民世論をひろげるために、シンポジウム「東京湾の原子力空母―その危険性を検証する」(仮称)を69日(土)に東京・明治大学で開催する。

 

6、被爆者援護・連帯

NPT準備会合を出発点に、新「原爆と人間」パネルとプロモーションパネルを内外に広く普及する。当面、世界大会に参加する海外代表に「贈る運動」を企画する。すべての都道府県で被団協とともに自治体やこれまでも実績のある様々な団体に普及をはかる。

原爆症認定制度をめぐり、多くの申請却下者が出るなど、司法と行政の乖離がいまだ重大な問題になっており、その解決が急がれている。この間、認定制度のありかた検討会が11回目を迎え、論点が整理され、国・厚労省側の対応の不十分さが明白となっている。被爆者の要求にこたえた改正実現のための世論づくりが重要になっている。そのためにとりくみを強化する623日の「原爆症認定集団訴訟終結集会」(日本被団協などの共催、日本教育会館)の成功のために協力する。

 

7、被災者支援、原発ゼロ、自然エネルギーの転換

 原発からの撤退と自然エネルギーへの転換を求めて国民的な連帯をいっそう発展させる。8月の世界大会に向けて、核兵器と原発の関係や放射線被害の実態を学びひろげ、核兵器廃絶の世論を強化する。

 現在53基の原発が停止しており、5月には残りの1基も止まり、日本の原発54基すべてが止まる。政府や電力会社は原発再稼働にやっきになっているが、世論調査でも政府の「安全審査」は不十分85%、再稼動反対が62%(42毎日新聞)を占めている。引き続き「原発をなくす全国連絡会」に結集し、当面、原発再稼動に反対するたたかいをすすめる。

放射線から国民を守ること、地域経済再生に結びつけた再生可能エネルギーなどをテーマにしたシンポジウムや学習会などを企画する。

 

8、地域原水協の確立・強化を

当面する原爆展の開催と署名推進、国民平和行進、世界大会など一つ一つの取り組みを通じて都道府県、地域の原水協を拡大・強化する。原水協の加盟団体を増やすための働きかけを強めるとともに、世界大会までに「原水協通信」の5000部突破をめざす。

この間改善を続けているホームページなど、インターネットを通じた内外への発信をさらに強化する。また、FAX送信からEメールへの切り替えにより、通信料が大幅に節約された。引き続き全都道府県のネット網を確立し、日常的な連絡体制を構築する。

8月の世界大会にむけて、加盟団体の増加、地域原水協を再建・強化、個人役員・会員の強化などによる会費収入、世界大会代表の増加と原水協募金、パンフレットなど世界大会資材の普及の強化など、一つ一つの取り組みを強め財政強化に結びつける。

 

/以上


 
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