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機関会議の決定書類/談話/声明

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声明2015年核不拡散条約再検討会議第一回準備委員会の開催にあたって
核兵器全面禁止条約のための決断と交渉の開始をよびかける

2012430日 原水爆禁止日本協議会            

 

 2015年核不拡散条約(NPT)第一回準備委員会の開催に当たり、核兵器のない世界の実現に努力するすべての政府指導者、関係者に心からの敬意を表します。

 2年前の20105月、第8NPT再検討会議は高まる世界世論を前に、「核兵器のない世界の平和と安全」を達成することに合意しました。コンセンサスで採択された「最終文書」はさらに、核保有5カ国が「自国の核兵器の完全廃絶を達成する」こと、すべての国が核兵器禁止条約の交渉開始をはじめとする潘基文国連事務総長の提案に留意し、核兵器のない世界の枠組をつくるために「特別の努力」を行うことなどを明記しました。2015NPT再検討会議とそれに至る準備のすべての成否は、この合意が履行されるか否かにかかっています。

私たちは、2010年の再検討会議にむかって世界的な市民社会の行動をよびかけ、世界のNGOとともに行動した運動として、すべての締約国が2015年再検討会議を目標に誠実に合意を履行し、「核兵器のない世界」の達成に全力を挙げるようよびかけるものです。

 この間、日本国民は、昨年311日の巨大地震、津波につづく東電・福島第一原発の事故により、ヒロシマ、ナガサキにつづき三度過酷な放射能による被害を強いられました。それはいまも、十余万の人々の避難をはじめ、健康と生活への深刻な不安となって続いています。こうした放射能被害の根絶のためにも私たちは国際社会がすみやかに核兵器廃絶を達成し、その成果の上に連帯して安心・安全な再生可能エネルギーへの転換へ、新たな合意を探求するよう望むものです。

 

1、核兵器全面禁止を決断し、速やかに条約交渉の開始を

 「核兵器のない世界」を達成するための私たちのただ一つの提案は、国際社会が一致して核兵器を禁止する拘束力ある合意をつくり、実行することです。私たちは、19558月、広島で最初の原水爆禁止世界大会を開催して以来、半世紀余にわたってこのことを一貫して主張してきました。今日、この声は市民社会と政府とを問わず、全世界の人々の圧倒的な声となっています。

 私たちは、一部に、「時期尚早」とか、部分的な措置の積み重ねが必要とかを理由にして、全面禁止の交渉を否定する意見があることを知っています。

 私たちもまた、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准・発効や核分裂物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始など、それ自体重要であり、当然促進し、完結させるべきものだと主張しています。また、中東の非核兵器地帯の設置という重要課題もあります。

 しかし、このことは、全面禁止のための行動を、「時期尚早」とか「性急」とかいって否定する理由にはなりえないものです。

 核兵器の廃絶は、廃絶そのものを目的として交渉し、合意して禁止することによってのみ、実現することができます。このことは化学兵器、生物兵器、対人地雷、クラスター爆弾をはじめ、これまで成功した他のすべての大量破壊兵器、非人道兵器禁止の経験からも明らかです。

これら部分措置の交渉も、核兵器全面禁止の目標とそのための具体的な行動があってこそ、はじめて前進することは、現在の停滞そのものが教えていることです。私たちは、現在の準備プロセスの中でも、核兵器全面禁止条約の交渉の開始を緊急、最優先の課題として審議し、すみやかに実行に移すよう、強く求めるものです。

 

2、最大の障害、「核抑止力」論の克服を

 「核兵器のない世界」を達成するために、もう一つ、避けられないことは核兵器が「平和の保証」であるとか、「安全の保証」であるとするいわゆる「核抑止力」論を克服することです。

 実際には、ヒロシマ、ナガサキにはじまる67年の歴史の中で、「核抑止」の政策はつねに核使用の危険をはらんできたばかりか、「相互確証破壊」と言われる人類絶滅の危機を創りだしてきたばかりか、いわゆる「冷戦」以後もなお、2万発もの核兵器を蓄積・配備を支えている元凶となっています。同時、「核抑止」政策は、核で威嚇することにより相手の危機感をあおり、核拡散の動きを助長する主要な要因ともなっていました。私たちはもちろん、どのような国によるものであれ、核兵器の開発・保有には反対です。しかし、核を持つ国が自らの核を「抑止力だ」「安全の保証だ」と言い張り、正当化を図る限り、核拡散の危険も払しょくすることはできないでしょう。これも、この間の核拡散の経過がはっきりと示しています。

 同時に、世界には、国連加盟国193NPTの締約国190の中で、実に185の国々がみずからにNPT2条、「非核兵器国」の義務を課し、核兵器の「開発・保有」も「取得」も放棄している現実があります。さらには、核兵器国やNPTの不参加の国の中にも、核兵器禁止にいたる交渉の開始には賛成している国々があります。

 こうした現実を見れば、核兵器の全面禁止の行動を開始することが、「時期尚早」でも「性急」な行動でもないこと、逆に、「抑止力」とか「核の傘」などと言って核兵器にしがみつき、あるいは新たな核兵器開発に走ることが、「核兵器のない世界」へという時代の趨勢と人類生存の大義への逆行であることはあきらかでしょう。

 

3、市民社会は核兵器のない世界を求めて行動する

 いまや世界の圧倒的多数の市民は、「核兵器のない世界」の実現を切実にもとめ、声をあげています。私たちはその声を結集するために、20112 15日、「核兵器の全面禁止のアピール」を発表し、「すみやかに核兵器禁止条約の交渉を開始する」よう求める署名に取り組んでいます。潘基文事務総長を含め、各界の著名なリーダーにも支持されたこの署名にはすでに、日本全国で1547979名の人たちがサインし、いまも多くの市町村で住民ぐるみの取り組みへと発展しています。すでに署名した人の中には、全国1719市町村中929市町村(全自治体の54%)を代表する1699人の市長、副市長、地方議会のリーダーなどが含まれています。また、私たちは、ひとたび核兵器が使われれば何が起こるのか、なぜ核兵器はすべて禁止しなければならないのか、その理解を広げるために本準備委員会の開催に合わせ、ここ、ウィーン国際センターとウィーン大学に写真パネル「ヒロシマ・ナガサキ - 原爆と人間」を展示し、これに呼応して日本でも31の都市で同様の写真パネル展を行っています。

 核兵器を廃絶し、二度とその出現を許さない最大の保証は、核兵器の非人道性についての人類的な理解を創りだすことです。私たちは、各国政府のみなさんがこの事業の意義を理解し、被爆者や核被害者、世界の反核平和のNGOの努力を支援されることを併せてよびかけます。

 
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