原水爆禁止2004年世界大会・長崎
アメリカ平和評議会会長
アルフレッド・L・マーダー
アメリカ平和評議会と、「全米平和と正義のための連合」を代表し、連帯のあいさつを送ります。「全米平和と正義のための連合」は、850を超える組織からなるアメリカ最大の平和団体の連合体です。私たちは日本のみなさんと力を合わせて、核兵器の完全な廃絶と平和をめざします。
広島と長崎への野蛮な原爆投下を記念する今回の大会は、極めて重要な時期に開かれています。アメリカ帝国主義は、目下の同盟国であるイギリスとともに、牙をむいています。ユーゴスラビアを破壊し、アフガニスタンとイラクを侵略し、偽りの口実の下、イラクの石油の支配を広げつつあります。これは、石油供給を求める日本など他の国に直接的な影響をおよぼしています。アフガン、イラクへの侵略は、ロシア南部、中央・南アジア、中東、中国近隣に米軍基地を広げています。
アメリカ政権を支配するものたちの陰謀により、アメリカは、ロシアと結んだ弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約、包括的核実験禁止条約(CTBT)を投げ捨て、核不拡散条約(NPT)第6条に定められた核兵器廃絶の交渉を行うことを拒否し、核兵器をより使いやすくするための新たな研究に予算を配分しようとしています。アメリカは、世界を支配するために宇宙をも侵略しつつあります。アメリカの先制攻撃戦略は、非核保有国への核先制攻撃も含みます。このたくらみは、人類にとって危険です。
ですから今年の大会は、歴史的な重要性をもっているのです。世界で数百万もの人々が平和のために街頭に出て、デモ行進をしたのは、人類史上なかったことです。われわれ人民こそがスーパーパワーなのです。
死の商人やそれを支える政治家たちは、無敵ではありません。アメリカ帝国主義の化けの皮がはがれ、中東とアジア全域でむき出しになっています。
私たちは、もう一つのアメリカ、すなわち、戦争に反対してたたかうアメリカを代表しています。世論調査によると、アメリカ国民の過半数が米軍の即時撤兵を求めています。平和勢力は、核兵器廃絶世界市長キャンペーンへの支持を広げつつあります。
核兵器は政治的な兵器です。広島と長崎の罪のない人々への原爆投下は、アメリカが当時のソ連に対して力を誇示することが目的でした。核兵器はいまでも政治的な兵器なのです。
平和のたたかいと不可分である核兵器の最終的な廃絶をめざす世界的な運動に、平和のスーパーパワーである人々の巨大な力を結集しなければなりません。長年にわたって核廃絶の旗印を高く掲げてこられたみなさんに、感謝します。
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