原水爆禁止2004年世界大会 長崎
ミーリャ・カビロワ
アイグル(チェリャビンスク核被害者団体)、議長
親愛な友人のみなさん、
私はロシアのチェラビンスク地方から来ました。とても遠いところです。広島と長崎の被ばく者と連帯し、ともに時間を過ごすために、11時間も飛行機に乗ってきたのです。私たちのところに、日本のように原子爆弾が落とされたわけではありません。ネバダやマーシャル諸島、カザフスタンのように核実験がおこなわれたわけでもありません。けれども、私たちのところには、核兵器の基本構成要素となるプルトニウムを製造するために、放射性廃棄物を加工する軍事コンビナートがあります。そして、150万の人々が放射線にさらされたのです。
私の家族を例にして、どのような被害を受けているかをお話しましょう。軍事コンビナートは、液体の放射性廃棄物を、処理をほどこすことなくテチャ川に流しました。テチャ川は住民にとって唯一の水源で、人々は何も知らないままその水を飲み、そこで水浴びをし、牛に川の水を飲ませて、その牛乳を飲みました。私たち家族は、テチャ川沿いに住んでいました。結果として、私の父は44歳のときに急性白血病で亡くなり、私の母は7人の子どもとともに残されました。そして、そのうち2人がガンで死にました。1人は43歳、もう1人は53歳でした。残りの兄弟も、健康上の問題をかかえています。
私たちは、被害者の権利の保護のためにたたかい始めました。私は、放射線被害者たちを支援する団体の会長です。私たちは、人々に食生活の指導をしたり、病気と放射線との関係を明らかにするための書類づくりを支援したりしています。いま私たちは、政府にたいし、安全な土地に被害住民を移住させることを求めて裁判でたたかっています。彼らは、今でも放射線で汚染された土地に住み、少量の放射線を浴び続けているからです。日本の人たちと連帯して、「いま核兵器の廃絶を!」の署名活動も始めました。
私たちは、核兵器の拡散を許さないためには、核兵器の全面廃絶をめざしてともにたたかわなくてはならないことを知っています。平和と連帯を求める人たちは多いのです。政府が私たちの意見に耳を傾けるようにしなくてはなりません。
日本の憲法はすばらしい憲法です。9条を変えようとする試みは、将来の世代にたいする犯罪です!そのようなことを許してはなりません!私たちも、ロシア政府が絶対に核兵器を使用することのないよう、ロシアで全力をつくします!憲法9条を、すべての文明世界に普及する必要があります。
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