原水爆禁止世界大会
オーストラリア
フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス
ベンジャミン・モクサム
広島・長崎への原爆投下は、パワーポリティクスをもっとも野蛮な形で示しました。何十万もの命が原子爆弾の閃光で失われました。被爆者の話を聞き、血にまみれ、黒焦げになった被害者の写真を見て、核兵器と人の命を取引するものたちにはひとかけらの人間性もないということに、私は涙をながしました。
1945年に犠牲になった人々は、ただ骨や長崎の壁に残った影として記憶に残っているわけではありません。ここに集っている私たちの心と行動の中にこそ、生きているのです。この間の討論を通して、私は、自分たちがとどめることのできない世界の平和と正義のための運動の一翼を担っていることを、あらためて確信しました。
しかし、私たちは依然として、死と隣り合わせの時代に生きています。私たちを含め何百万もの人々が抗議行動を行いましたが、アメリカのイラク占領は続いています。半永久的にイラクに軍隊を置くというアメリカの計画は、イラクからの略奪を続けることのみならず、世界と中東地域の安定を引き続きおびやかすでしょう。核兵器と、それが置かれている米軍基地は今なお廃絶には程遠く、ウイルスのように地球上に広がっています。私たちにはまだ、なすべきことがあります。
私はオーストラリアから来ました。日本と同じく、私の国の政府の外交政策は、ホワイトハウスでつくられています。両国政府が口にする嘘は、ホワイトハウスから直接ファックスで送られてきたものです。やはり日本と同じく、私の国の政府は軍隊を派遣し、残虐で許すことのできないイラクへの侵略を手助けしています。両国の政府は、当然の怒りをよんでいます。しかし、平和運動にたずさわる友人たちが、私たちに挑戦するべき課題を示しています。
フィリピンの友人たちは、イラクからフィリピン軍を撤退させました。私たちも、これに続かなければなりません。
スペインの友人は、戦争を応援する政府を選挙によって追い出しました。私たちも、これに続かなければなりません。
プエルトリコの友人は、ビエケス島から米軍を追い出すことに成功しました。私たちも、これに続かなければなりません。
この一週間、日本の平和運動の力強さを目の当たりにし、みなさんの運動はこれらの課題を達成できると、確信しました。おそらく、みなさんの運動は、私たちオーストラリアの運動よりも先に課題をやりとげるでしょう。
そして、力強く情熱にあふれたみなさんの運動こそが、今年8月6日の広島で嘘をついた小泉首相を震え上がらせることができるのです。みなさんの運動は、広島、長崎をくり返さないためにたたかう私たちすべての人々を励まし続けるでしょう。
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