長崎 全体総会 原稿
イ・ヂェヨン(韓国)
こんにちは。
私は先日の2日から今日まで広島と長崎の多様な行事に参加し、多くのものを見聞しました。日本をはじめ、ロシア、フィジー、大韓民国など世界各地からの、核による惨状をほんとうに悲しい気持ちで聞き、住民過半数の核兵器廃絶のアピール達成を数十年かかって達成した平和の開拓者たちのよろこびを本当にうれしい気持ちで聞きました。そして世界各国代表の核に対する人間的な怒りと核廃絶に対する一致した強力な意志と熱弁を聞きながら、平和と愛で構成され、また運営される人間らしい社会の建設が決して不可能ではないという信念と希望を持つようになりました。
核による惨状は、私たち人間世界の多元性と多様性を否定する中央集中主義と画一化を志向するすべての覇権主義からはじまると思います。
すべての集中主義と画一主義、そして覇権主義を取り除くために最も核心的で重要な課題のひとつは、世界のすべての地域で草の根の民主主義と市民運動を発展させることです。そして、そうしたすべての地域での経験と持続的な意志をもって、強力な連帯の隊列を実践的に形成することです。
草の根の民主主義は多元性と多様性をもった「相手」の尊重なくしては実現できません。なぜなら市民運動とは草の根の民主主義を願うひとりひとりの個別的意志をひとつの強力な力に綴ってゆく過程であり、プールであるからです。また、草の根の民主主義と市民運動に基づいた世界連帯こそ、一方的な被害者である弱者の視点で社会を再構成し得る唯一の力であるからです。
私は15年間市民運動をしたあと、7年間地方自治体の市長をしてきました。市長として働いていた間、私は草の根の民主主義を発展させるために不断に努力してきました。その代表的な成果としては半世紀にわたって米軍基地によって占領されていた土地を返還させたことです。(また、米軍基地の被害を受けている地域住民に、米韓両国が補償の責任を負う特別法制定を先頭に立って推進してきたことです。)こうした成果は韓国の地方自治体の長をはじめ、国会議員を含むすべての公職者に大きな反響を呼び起こしました。なぜなら南北に分断されている韓国の場合、米軍駐屯に対する批判的な見解は伝統的に、すぐ社会体制を否定するものとみなされてきたからです。全国民に被害を及ぼしてきた在韓米軍の不当さと被害を、公職者が先頭に立って告発して、その移転と補償を要求したのはかつてないことでした。私がこうした行動をとることができたのは、ひとえに草の根の民主主義と市民運動の活性化と全国的な連帯のおかげです。
いま韓国では米軍の戦車によって殺害された2人の女子中学生に対する怒りが全国で湧きあがっています。また殺人の痕跡を消すために遺体の上を戦車が何度か前進・後退したという疑いも持たれています。天地を揺るがすほどの怒りを呼んだ蛮行を犯した米兵は大韓民国の名で手配されていますが、いまだにアメリカ大統領からの謝罪はまだありません。
私はここで皆さんに丁重にお願いいたします。
この場にいる私たち全員と平和を願う全世界の人々の連帯の力で、こうした覇権主義の蛮行を力強く批判して、その責任を問いましょう。
今日は人類史上もっともむごたらしい大量殺傷が広島で行われたその3日後にふたたび繰り返された日です。数多くの人々の無念の死の叫びを聞きつつ、私の誕生日でもあります。あるいは私は生まれた日から愛と平和を守るべき使命を受けていたのかもしれません。
尊敬する皆さん。
草の根の地方自治と市民運動、そして世界人の実践的な連帯によって、すべての人間性を否定する中央主義と画一主義、そして覇権主義の象徴である核を追放するため、ともに立ち上がりましょう。
そして愛と平和でみなぎっている明日の世界をつくるため、ともにがんばりましょう。
ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、その本名は平和と愛です!
ありがとうございました。