ヒロシマ・ナガサキをくり返さないために

−国連および各国政府への手紙

被爆57周年に際してひらかれている原水爆禁止2002年世界大会は、国連および各国政府が、ヒロシマ・ナガサキの惨禍をくり返さないための緊急の行動をとられるよう訴えます。

 いま、一部の政府が、「テロ対策」「大量破壊兵器の拡散阻止」などを理由に戦争を準備し、非核保有国にたいしても核兵器使用の可能性を示唆していることに、私たちは強い危惧をいだいています。

 広島・長崎の残虐で無差別的な大量殺戮と破壊、それにともなう深刻な後遺は、核兵器の使用が、いかなる理由であれ、決して許されないものであることを教えています。

 国際社会は、原子兵器の禁止をもとめた国連第1号決議につづき、核兵器使用を「人道に対する犯罪」として禁止することをもとめ、核兵器使用を防ぐ「唯一絶対の保証」として、核兵器完全廃絶の「明確な約束」を一致して合意してきました。

 また国連憲章は、二度にわたる世界大戦の痛苦の教訓をふまえ、各国の主権と平等、紛争の平和的解決の原則をしめしてきました。他国への一方的な武力行使や核攻撃の脅迫は、20世紀がつちかってきた世界の平和的秩序と相いれるものではありません。

私たちは、国際社会が築いてきた合意をふまえ、国連と貴国政府に要請します。

1.いかなる理由によるものであれ、先制使用はもちろん核兵器の使用や威嚇を防止するため、あらゆる措置をとること。

2.核兵器完全廃絶の「明確な約束」の実行のため、ただちに行動すること。

 ヒロシマ・ナガサキをくり返さないために、あなた方の積極的な対応を心より切望するものです。

2002年8月9日

                     原水爆禁止2002年世界大会‐長崎